今日は、サントリーホールで行われた
仲道郁代さんのモーツァルトコンサートに
行ってきました。
演奏曲は全てモーツァルト作で、
何度も聴いてきた曲ばかりだったので、
気楽に楽しめ、
そしてとても感動しました。
演目は
ピアノソナタ11番
ピアノ協奏曲21番
ピアノ協奏曲20番 などです。
11番は、ご存知、第3楽章が
あの「トルコ行進曲」です。
そして、今回のきわめつけは、
仲道さん自身が、
2つの協奏曲(上記)で
ピアノ演奏をしながら
指揮までやってしまうという挑戦を
されたことです。
「今日は、オ-ケストラの方々の顔を
ひとりひとり見ながら指揮をしたいので、
ピアノのふたを外してあります。
今日のピアノは、みもふたも
ないんです(笑)」と
冗談を言っておられました。
幸い、今回は、オケの団員の背中側
の2階席だたっため、
ピアノのふたが外れた状態と
仲道さんの指揮者ぶりを上から
しっかり観ることができましたし、
それに音響のいい音が
よく通る席でした。
まぁ、それはいいとして、
今回の演奏は、仲道さんの
エネルギッシュな指揮ぶりに
感動してしまいました。
指揮をしながらですと、
ピアノ演奏に移る際の
間がとても難しいと思う
のですが、彼女は、
それをてきぱきとこなし、
なんら違和感を覚えません
でした。
そんな懸命な指揮・演奏の姿と、
その熱い思いが乗り移った
ように、オケの演奏も
気が入っていて、
とても心地よかったです。
「指揮なんかは、もっと
おばあちゃんになってから
でもいいかな」と本人は
おっしゃっていましたが、
何の何の、見事な
指揮ぶりでした。
新しいことにチャレンジして、
それを見事にやり抜く
姿勢に私を含めて聴衆は、
間違いなく、心を
打たれていました。
その証拠にアンコール曲が
終わっても、拍手は
鳴り止まなかったですから。
それと、演奏後、団員ひとり
ひとりに敬意を払い、立って
もらって聴衆に拍手を促す
気配りにも感激です。
今回は、震災のあった神戸の
神戸市室内合奏団でしたが、
苦しくも2年前の震災の後、
チャリティコンサートで
「被災者のことを考えたら、
1音たりともムダにできませんね」
と仲道さんがおっしゃっていましたが、
今日の演奏を聴き、その言葉が
真意なんだなということを
実感できました。
彼女の人間としても器の大きさを
随所に垣間見ることのできた
演奏会でした。
生演奏の素晴らしさを体験
できた日でした。