極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

松虫草とスーパー酵母

2009年11月20日 | 新弥生時代


勝るとて 魔去るのゆわれ 山猿も 松虫草に 戯れて鳴く  







【バイオエタノール製造技術の先端】


 赤田倫治

先のブログ(『栗と秘密のハーブドレッシング』)で、
レシプルの退席を述べたが、非エネルギーフリー系領
域の
クリーンディーゼル車用のバイオアルコールを考
慮していない様に取られるのではと思いでブログする
ことに。結論をいえば、物流用大型自動車及び船舶用
の内燃機関は当面なくならない。ここでは、
バイオエ
タノール
の研究開発の現状を俯瞰してみよう。



表 米国 vs. ブラジルのバイオエタノール生産特徴比較



酵母菌を使ったバイオエタノールの生産性向上手法と
して、
赤田倫治らの(1)グルコース代謝遺伝子の制
御でキシロースのエタノール転換の高速化、(2)耐
熱性酵母の育成によるエタノール転換を高速化のアプ
ローチの2つを考察する。

【グルコース代謝遺伝子の制御技術】

在職中の5~6年前、バイオエタノール製造工程で亜臨
界の超臨界装置が使えそうで、京都大学の応用化学の
植田充美に現況調査にうかがったことがある。その時
の印象はセルロースの分解技術が確立しない実用化し
ないという感想とスーパー酵母という概念の将来性に
開眼させられた経験を持ったが、その後、昨年3月19日、
日本農芸化学会で、月桂冠総合研究所は、もみ殻や稲
わらなど食用でない植物原料からも直接エタノール生
産できる技術を発表しているから、バブル崩壊にバイ
オエタノールバブルを煽るジュニアブッシュ元大統領
による舌禍は功を奏したかもしれない。話しが逸れた。




固体培養で高発現する新規プロモーターによりセルラ
ーゼ、キシラナーゼを発現するスーパー麹菌で、酵素
の高生産、セルラーゼ群を細胞に共提示しキシロース
代謝遺伝子を発現するスーパー酵母で、固形セルロー
スやキシロースの直接エタノール発酵が可能、スーパ
ー麹菌とスーパー酵母の固体発酵における発酵槽のヘ
ッドスペースから、凝縮塔とモレキュラーシーブを組
み合わせたシステムにより、80%以上のエタノール溶
液の回収に成功し、さらにリグニン分解の基盤として
白色腐朽菌ラッカーゼI を細胞表層に活性提示できた
という(『
微生物固体発酵による高効率なリグノセル
ロース完全利用システムの研究開発
』)。





【耐熱性酵母育成によるエタノールの高速転換】

この提案システムの凄いところは「スーパー麹菌+ス
ーパー酵母」→「高濃度エタノー;機能性フェノール」
を効率よく生産するところにあり、夢のようなプラン
トが実現できる可能性がある
違うか! ^^;。さて 低
コストで巨大な生産量を求める「効率化」のアプロー
チの2つめは、高温で発酵ができれば冷却コストが削
減され、酵素反応にも都合よい耐熱性酵母の育成が焦
点になる。赤田倫治らの研究によると、Kluyveromyces
marxianus という酵素が驚くほどの能力を持ち、48℃でも
増殖し高温増殖能力は、他のK. marxianus のどの株より
優秀で、エタノール発酵でブラジルのS. cerevisiae 株と
遜色がない酵素を発見したという。また、遺伝子操作
系の開発のための
URA3遺伝子による形質転換系の準備
中、S. cerevisiae のURA3断片が簡単に、高頻度で、染色
体上にランダムに挿入された。S. cerevisiae
相同組換
でない遺伝子操作法を発見。プラスミドがいらない
PCRによる断片作成の遺伝子導入法を開発したという
耐熱性酵母の高効率遺伝子導入技術と凝集性株の
育種
)。



『高温発酵のメリット』



※現行法の並行複発酵SSF:Simultaneous Saccharification
and Fermentation
)法-中規模(3万キロリットル/年)の
デンプン系プラントと比較して。

1)発酵温度が35℃で、耐熱性酵母では40℃が可能
  →①~③のそれぞれのプロセスで年間数百万円の
  コスト削減ができる。
(2)
グルコアミラーゼ製剤だけでも約5千万円。35
   ℃
40℃のSSFプロセスでは温度を上げることで
  酵素活性が2倍となる。酵素量削減とSSF  時間の
  短縮が可能→半分の酸素量なら、単純には2,500
  円の削減が可能。
(3)90℃におけるαアミラーゼによる液化の後、糖化
  酵素と酵母とを同時に入れ蒸留するが→冷却設備
  の軽減できる。
(4)温度管理が容易→限界発酵温度35℃を超えても
  死滅しない→厳密温度管理が不要。
 
今後、高温エタノール発酵増殖が可能かという疑問→
分子遺伝学的な研究の蓄積のない耐熱性酵母菌の機能
解析を行うことで、さらなる高温発酵が可能となと期
待されるという。

特許:P2009-183249A
「バイオエタノールの製造方法」


駅舎(2005年10月) 

明日は母がデイ・ケアで紅葉を観たいという彼女。何
処にしたいのかと尋ねると「鎌倉がいいかなぁ。あそ
こは、遠いし、紫陽花が有名だから来年ね。いいよ、
近くでいい」というので、朝から日吉大社に車を走ら
せた。平日の紅葉といえ観光客は多い。車で東本宮下
の駐車場まで行き散策。薄着していたのでひんやりと
した肌寒さが身が引き締まり気持が良い。文献では、
古事記』に「大山咋神、亦の名を山末之大主神。此
の神は近淡海国の日枝の山に坐し」とあるのが初見で
あるという。西本宮に大己貴神(大国主神)、東本宮
大山咋神を祀る比叡山の地主神(鎮守神)(『太藺
と稲刈り
』)という。駐車場の翁に食事処を尋ねると
京阪坂本駅近くの『本家 鶴喜蕎麦』に立ち寄っては
と紹介されたのでふたりで卵とじ蕎麦を頂いて帰宅し
た(店の雰囲気は「◎」)。


日吉大社のモミジ
鶴喜そば





松虫草(マツムシソウ科の越年草)。茎は高さ30~80
センチ。葉は対生し、羽状に裂ける。8~10月、長い花
柄の先に淡紫色の頭花を上向きに開く。花冠は周囲の
小花は唇形状に5裂し、中心部の小花は筒状で等しく4
裂する。丘陵から山地のススキ草原に生え、北海道か
ら九州に分布する。名の由来は、マツムシの鳴くよう
な環境に生えるからという。花の美しいものもかなり
あり、とくにセイヨウマツムシソウ(スカビオサ)は
タネが市販されている。紫の花を咲かす「マツムシソ
ウ」。花言葉は「けなげ」。

ファイル:Scabiosa japonica - blossom (aka).jpg

                 

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