Go! Go! 後藤光雄

鈴鹿市議会議員 後藤光雄。鈴鹿に生まれて鈴鹿に住んで鈴鹿にやってきて「本当に良かった」といえる、まちづくりをともに!

市が作成する『総合計画』は有効か

2015-03-25 01:45:01 | 議員日記
東洋大学客員教授の南(みなみ)学(まなぶ)氏の『総合計画は有効か』という講座を受講した感想を、鈴鹿市議会議長あてに提出したので、こちらにも掲載します。

 鈴鹿市は、平成26年6月10日から7月8日まで「新たな中・長期的計画策定のための市民アンケート調査」を実施した。
 しかし、国は、『総合計画』策定義務を平成23年にすでに廃止しています。
それは、「拡充」を基本とした、従来型の『総合計画』が、すでに存在意義を失っていること。つまり右肩上がりの成長状況でもなく、またその時期に作られた公共施設の更新時期を迎え、財政的にも困窮した状況下においては、部局ごとに立てる拡充計画を寄せ集めた総合計画自体が、計画策定のためだけの作業であり、縦割り行政の根源となる必要悪的な存在であり、今必要なのは、正確な状況分析のもとで、的確な治療的な政策を実施することにあるからです。

 そもそも、総合計画づくりにはかなりの時間が費やされている現状がある。
部局ごとの構想案を、企画、財政、総務という官房系の部署を中心に、予算(財源)土地利用、組織、人員体制という観点から、全体規模と部局間の重複部分や空白部分の調整、前、中、後期への事業割り振りなどを行い、全体計画の素案を作成する必要がある。
ここまでの作業で、半年から1年程度の時間を要するが、肝心な個別担当課での議論は、おそらく一カ月にも満たないだろう。調整作業に膨大な時間がかかり、もちろんこの過程において議会や各種団体との意見交換も必要になる。
 素案から原案の決定には、市長をはじめとする幹部職員への説明も必要で、審議会の開催、議会への中間報告もあり、その際の意見によって担当部局との調整も必要になってくる。この期間もまた長い時間が必要だ。
 『総合計画』として確定すれば、それを、計画全体、計画概要、分野別説明資料、市民向けパンフレット作製など、広報媒体の作成にもかなりの時間が必要になる。
 つまり、約2年近くかかって作成する中で、直接事業を担当する部署での議論は、最初の1カ月程度しかなく、また、財政を伴う計画となると事業として確定する必要性から縦割り組織ごとの事業となってしまう。結果的には部局における事業を寄せ集めたものになるだけでなく、作成に費やした時間の変化に対応できないものになっている可能性も生まれてしまうのだ。

繰り返すが、今必要なのは、現状の正確な状況分析であり、公共施設のマネジメントができなければ、無駄な時間と経費の浪費になるということだ。しかも市民にとっては現状も未来も見えない、絵の描いた餅、夢を見せられ続けているということになってしまう。

総合計画づくりに費やす時間は無駄であり、現状分析からのマネジメントを進めるためには戦略計画が必要になる。これには、既得権を打ち破る専門性や、「地域の未来」への構想力やロマンが必要になるが、近い未来を見ながら進める戦略計画であれば、具体的な方法の是非に対する意見も見えやすく、方向転換も、見直しもしやすいものとなる。また行政の課題である縦割りの弊害をも打破できるプロジェクトチーム内の議論が見える事は、議会にとっても市民にとっても、わがまちの為の政策がどのように行われているかが見えやすくなり
まさに、税による付託を受ける市役所としての存在価値も、職員の必要性も見えるものとなり、職員自体、市の為の事業、市民の為の施策が説明しやすいものとなり、市民との協働、民間への委託もしやすいものとなるであろう。


以上、講座を受講した感想ももって、研修報告とします。非常にためになった研修講座の受講でした。



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