ホタルブクロは生育地の標高が高くなると色が濃くなるようですが、園芸品としていろいろな色のホタルブクロが出回っているので、乱れていますね。
ちなみに、海岸付近は淡紅色から白色、標高が高くなるにつれて赤紫色になるようです。
赤紫色のヤマホタルブクロ、散歩の途中の家の花壇にありました。
ホタルブクロにはヤマホタルブクロという変種があります。
違いはガク片で、ホタルブクロはガク片とガク片の間に付属片があって、その付属片が反り返っています。ヤマホタルブクロはその付属片はなく、ガク片が切れ込む部分が膨らんでいます。
写真のホタルブクロはガク片とガク片の間に付属片が見当たらないのでヤマホタルブクロです。
ヤマホタルブクロ。漢字で、山蛍袋。学名は、『キキョウ科ホタルブクロ属(小さな釣鐘、釣鐘状の)の点のある種で日本本州(本土)に生息してる種』です。点のあるとは何を指しているのか分かりませんね。変種名が var.hondoensis でホンドとありますね。
ガク片とガク片の間に付属片がなく、膨らんでいます。
ホタルフクロです。ガク片とガク片の間の付属片が反り返っています。
ホタルブクロです。コホタルブクロの隣に赤紫色のヤマホタルブクロがありました。付属片は反り返って花柄の根元にくっつきそうです。
ホタルブクロはキキョウ科なので、ひとつの花が雄性先熟で雄性期から雌性期に変わっていきます。
袋が開く前に雄しべは熟して雌しべに花粉をつけて始めて、袋が開く頃にはもう雌しべにだいぶ花粉がついています。
ホタルブクロはつぼみの時はすでに雄性期といえるようです。
開き始めた袋の中を見るともう雌しべは花粉に覆われています。雄性期です。
雌しべに花粉をつけている最中の雄しべ。雄性期です。
雌しべに花粉をつけ終わって枯れていく雄しべ。雌しべから柱頭が現れていないのでまだ雄性期です。
雌しべから柱頭が現れて、柱頭が3裂してる。受粉できる態勢になっているので雌性期です。
ホタルブクロは雌しべから花粉が完全になくなる前に柱頭が現れているように見えます。
そうなると、せっかくの自家受粉防止のための雄性先熟の意味合いが薄くなりますね。
たぶんこの袋の中に入れるサイズの昆虫またはその長さのストローを持った昆虫が生育地に少ないせいで、自家受粉も行えるようにしたのではないでしょうか。
雄性期の袋の中にカタツムリがいます。
このカタツムリの家になっているようです。雨、風が凌げるいい物件ですね。
雌性期の袋の中のカタツムリ。
(Canon IXY DIGITAL 510IS)