日々の恐怖 5月7日 白狐(12)
基本は年始→節句→ツアーが基本の流れだったので、節句祭りを見届けてその年も小豆さんに会った県に行くことになった。
確認したくなった。
社が修復されて神田様が戻ったのかどうかを。
その年の小豆さんはエメラルドグリーンのジャージだった。
社務所に訪いを入れた私を見て、
「 まだ見つからんかぁ・・・・・。」
と言い放った。
社には戻っていないらしい。
1年前と同じ縁台に座って、神社が修復されたことを話した。
簡単に見れなくなったことも寂しかったけれど、やっぱりあの白さは覆い隠すべきだと思う。
あんなに綺麗なものは極力人の目に晒さない方が、綺麗なままでいられる気がする。
そのようなことを話すと小豆さんは、
「 分かる分かる。」
と同意してくれた。
「 女子高生のスカートと一緒だな。
見えそうで見えないから見たくなるんだよな。
パンツ丸見えで歩かれるとガッカリするから。」
全然違う。
その年は小豆さんと神社の金儲けについて話した。
金がないと直せない、古い神社には人が来ない、人が来ないと金が入らないという負のループに弱小神社は陥っていると愚痴られた。
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