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日々の恐怖 5月13日 白狐(13)

2023-05-13 08:36:24 | B,日々の恐怖





 日々の恐怖 5月13日 白狐(13)






「 破!とか出来るんすか?」
「 そんな便利なこと出来たら、この神社大儲けしてるよ。」
「 形だけでも御祈祷とかすればいいじゃないですか。」
「 めんどくせぇよ~。」

来年もきっとこの神社は寂れたままなんだろうと思った。

 次の年の夏だった。
実家でぐだぐだしていたら、急にぴーちゃんが肩に乗り私の髪を毛づくろいし出した。
珍しいこともあるもんだと思った次の瞬間、はっとした。

” もういないんだ。
だから、ぴーちゃんが寄ってきたんだ。”

 こんなあっさりしてるものなんだと思った。
それ以外のことは、特に何も思わなかった。
ぴーちゃんが寄ってきたこと以外、特に何も変わりはなかったから。
 その年のツアーでも、小豆さんの県に行った。
1年振りに会った私の顔を見て、

「 そうかぁ、そうかぁ・・・・。」

と呟いて、また缶コーヒーをくれた。
 いるともいないとも、小豆さんは明言しなかった。
なので社に戻ったのだと確信出来た。
お互いそのことに付いては一切触れなかった。
 小豆さんのジャージはこの年もエメラルドグリーンだった。
見つかった人間はどうなるのだろうという話をした。
知る術もないけれど、出来れば酷い目に遭っているといいなと思う。











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