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大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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日々の恐怖 6月5日 ワイの話(22)

2020-06-05 19:17:04 | B,日々の恐怖




 日々の恐怖 6月5日 ワイの話(22)




 幸い、貯金と失業保険でしばらくは暮らしていけたが、ワイはその先を考えることもせず、スマホの電源を落として誰とも連絡を取らずに、ただただ部屋にこもり、日々を過ごした。

 そんなある日、突然、妹が部屋を尋ねてきた。
会いたく無かったので無視しようとしたが、情けないことにワイは相当、追い詰められていたようで、縋るようにドアを開けるなり妹に抱きついて、

“ ピーピー。”

と泣き出してしまった。
妹は何も言わずに普段とは違った表情で、ずっと泣いているワイの頭を撫でてくれた。
 いつの間にか泣き疲れて眠ってしまったのか、目を覚ますと朝になっていた。
記憶は無いが、ワイはソファーで眠ったようでベッドには妹が寝ていた。
 正直、昨日の、

“ ピーピー。”

と泣く恥ずかしい自分の姿を思い出すと、これから妹にどんな顔で話せばいいのかと考えると気まず過ぎる。
 だが泣いて鬱憤を吐き出したせいか、妙にワイの気持ちは清々しいまでに晴れていた。
恥ずかしいので絶対に口にはしないが、ワイは心の中で妹に感謝した。

「 朝だぞ、起きろ!」

そう言いながら妹を揺すると、顔をしかめながらゆっくりと妹は上半身を起こした。

“ 小さい頃から妹は朝に弱く、中々起きれなかったなぁ・・・・。”

と思い出して、懐かしい気持ちになった。









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