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大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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日々の恐怖 3月31日 ダウンタウン(3)

2019-03-31 10:31:39 | B,日々の恐怖






 日々の恐怖 3月31日 ダウンタウン(3)






 僕は道路をわたるために、一瞬その男から目を離していた。
歩いて反対側にたどり着いたとき、僕は後ろを振り返り、立ち止まった。
彼は向こう側の歩道の真ん中でダンスを止め、身動きせず、一本足で立っていた。
彼は僕と平行に移動していた。
 彼の顔はこちらに向けられていたが、目は相変わらず虚空を眺めていた。
口には依然として奇妙な笑顔が張り付いたままだった。
僕はすっかり怯えてしまい、再び歩き始めたが、今度は男から目を離さなかった。
 僕が見ている間、そいつは動かなかった。
僕と男の間の距離が半ブロックほど広がったとき、僕は前の歩道が安全か確認するために、彼に一瞬背を向けた。
 僕の前の車道と歩道には邪魔になるようなものはまったく何もなかった。
恐怖感から、もう一度彼のほうを見てみた。
 彼は消えていた。
ほんの一瞬だけ、僕は安堵した。
が、そんなものは一瞬で吹き飛んでしまった。
 男は、僕と同じ側の歩道に来ていた。
半分かがんだような姿勢で、まったく身動きしていない。
暗闇と距離のおかげで、はっきりとは分からなかったが、その男が僕のほうに顔を向けていたに違いない。
 僕が男から目を離したのはほんの10秒くらいだった。
彼は明らかに異常な速度で、音もなく僕の側まで移動してきていたのだった。












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3月30日(土)のつぶやき

2019-03-31 07:48:45 | _HOMEページ_


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