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大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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日々の恐怖 8月16日 狂った世相(2)

2016-08-16 19:27:39 | B,日々の恐怖




  日々の恐怖 8月16日 狂った世相(2)




 そして、ここからが母から帰省時に聞いた話です。
母に、

「 そういえば昔こんな修羅場に遭遇したんだよ、お母さん何か知ってる?」

と聞くと、

「 あんたはもうここに住んでないから言っていいかね。」

と教えてくれた。
 実は子供Aは母親だと思った女性Bの養子で、B夫婦は子供がなかった。
従兄弟だかが子供を残して亡くなり、親戚から施設にやるのは可哀想だ、と半ば押しつけられたらしい。
 最初A君はおとなしい子だったそうだ。
しかし、ある時から急に反抗的、暴力的になった。
 A君は近所でも有名で、トラックが横を通ったら指さして、

「 あれに轢かれてミンチなれ!」

とか、殺す、シネは日常茶飯事で、二人が歩いてくると、

「 しねー!」

と聞こえてくるので分かった、なんて逸話もある。
みんな、もっと大きくなったらBさん殺されるんじゃないか、と心配していたそうです。
 しかし一年ほどしてAもちょっと落ち着き出したところで、急にA君は施設に入ることになった。
そのとき私は現旦那と同棲しており知らなかったのですが、A君が家出して騒ぎになったそうです。
 警察に保護されたA君がB家を親の住所として教え、Bさんが、

「 うちの子じゃないから知りません。」

と警察が連れてきたAの前で言ったようです。
 警察が、

「 いや、でもあなたの子でしょ?」

と言っても、

「 産んだ子じゃないんで、私の子じゃないんです。
赤の他人の全然関係ない子です。
うちと、この子は全く関係ありません。
よその子です。」

と、とにかくA君の真ん前でよその子を連発し、集まってきた近所の人達は唖然としたそうです。
 そしてちょっと前、B家の前に引っ越し屋のトラックが止まっているのを見た母が、Bさんに、

「 あら、お引っ越しですか?」

と声をかけると、Bさんが長話を始めた。
それが上記のA君を押しつけられた親族会議の話で、母は正直、

“ 親しくもない私に、何でそんな込み入った話をするのかしら?”

と思ったそうです。










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