奥深い山あいに潜んでいた相星の隠れ念仏

相星の隠れ念仏

　指宿から枕崎までいくつも駅はあるが、指宿以外は駅舎もなければ人もいない。ほんとに見捨てられたローカル線、そして地方の切捨てを感じる。
　枕崎から加世田まで山あいをバスで行く。乗りあわせた高齢の女性は足腰の調子が悪く通院しているとのこと。片道610円、往復で1220円、これに診察代、薬代がかかる。時間も往復すれば優に1時間半だ。ほんとに大変だと思う。

　今回楽しみにしていたのが出身小学校区の中にある相星の隠れ念仏。解説書に「江戸時代薩摩藩では浄土真宗（一向宗）を禁止したため，領域内各地で隠れてこれを信仰する人々があった。相星の隠れ念仏は，写真の洞穴で二世観音（後に阿弥陀仏を加える）を祭って信仰した。現在は相星西集落・相星東集落が一年交代で，公民館で祭っている」とある。

　すぐに見つけられると思っていたらさにあらず。県道から2キロほど入り込んだ奥深い山谷にあった。少しでも考えればすぐわかることだが、見つかるところで拝むはずはない。すぐ見つかると考えた浅はかさが恥ずかしい。

　宗教と科学的社会主義とは大きくかけ離れているが、弾圧されながらも信念を貫くという点は一緒だろう。現世利益だけを追い求める宗教が幅を利かせる今の世の中だが、迫害を恐れず信仰し続けた村人たちが万世にもいたことを誇りに思う。


今日のyoutube（しばらくは洋楽・オールディーズ中心です）

Del Shannon - Hats Off to Larry

　山下けいきＨＰ「お元気ですか」はここです。新鮮さに加え、写真の多さ、1000を越えるリンクなど、ボリューム充実です。

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