北陸三人旅（９）

はじめから読む方はこちらから→北陸三人旅（１）


福井競輪のマスコット。名前は知らん。何か手塚プロ作的な匂いがせんこともない。

９Ｒ発売中、バンク周辺をくまなく見てると、ある横断幕に目が行く。
対象選手は和田治恭選手。横断幕が２つもあるから人気選手なんかな？と思っていたら…
キャッチコピーが「たまにはき・て・ネ！」「まだまだいけるぞ！」って。
おぉ、もう軽く小馬鹿にされとりますがな。頑張れ和田治恭選手

そんな和田選手が９Ｒに登場。横断幕見ちゃったから買っちゃったよ。
結果は…たまにはき・て・ネ！！！いやいやマジでマジで。

そんな９Ｒを終え、１０Ｒ発売開始。
携帯でも見るかとズボンのポケットをまさぐった時、ある事に気付く。
右のポケットをまさぐる、無い。左のポケットをまさぐる、無い。
胸ポケットをチェックする、無い。財布の中身をチェックする、無い。
ケツのポケットをまさぐる、無い。リュックの中身を全部出して探す、無い…

マイ西日本パスが無い………

旅打ち史上最大級の危機に直面。連動するようにテンパリ具合も最大級。
競輪場で途方に暮れ、ただうろたえて慌てふためく３５歳福岡在住。
どげんすっか、どげんして福岡に帰るか、高速バスか…と頭を抱える。
そんな私を見兼ねてか、dragonさんが冷静にＪＲみどりの窓口に電話。
すると、福井駅近くにそれらしき落し物があったと連絡が入る。
急いで電話番号を聞き、福井駅前の交番に連絡。すると…あった、って。
袋の表に「こーじ」って名前が書かれてるきっぷが…って正に私のきっぷだ。
まっきさんがきっぷに名前をかいてくれていたおかげだ。本当に感謝です。
そして慌てる私とは間逆に、冷静に対処してくださったdragonさん…本当に感謝です。
「夕方そちら（交番）に伺います」と返答して電話を切る、その瞬間腰が抜ける。

本当に助かった…どなたが存じないが落とし物を交番に届けて下さった方が居たようで。
つーか、旅打ちを何年もやってるのにこんな基本的なミスを犯すなよ自分、と。
きっぷを使わない時は財布の中なり安全な場所に移すのが基本でしょうが、と。
おそらく電車を降りてポケットの中にきっぷをしまいこんだままにしてたんだろう。
そして、「あの瞬間」に、ポケットからきっぷを落とした、と。情けない…

安心して気が抜けて、放心状態で残り３個レース…こんな精神状態で当るワケがない。
全レースを見終えて無料バスに乗り込み、福井駅に戻る。


dragonさん＆まっきさんが宿にチェックインしている間、私は真っ先に交番へ。
諸手続きを終えて、一枚も欠ける事無くきっぷが戻ってきた。
速攻で拾って下さった方に電話でお礼を言う。世に善人はいらっしゃると知る。
まっきさんに感謝、dragonさんに感謝、きっぷを拾って届けて下さった方に感謝。
財布の中にきっぷを大事に仕舞いこむ。もう離さないぞ西日本パス。
旅打ち史上最大級のピンチを回避できた。今はそれだけで嬉しくて嬉しくて…

～続く～