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札幌、紀伊国屋書店にて、東海大学教授の乾淑子氏による講演会「戦争柄着物と新聞・絵葉書」があった。戦争柄とはどのようなものかと一応予想していたが、当時の朝日新聞や毎日新聞の一部が描かれていたのには驚いた。絵柄としての新聞記事は描かれたものではあるが、本物と対応しているとのことで、当時の新聞事情も窺える。
集めた戦争柄の着物は1895〜1942年に作られ、戦争宣伝としてというわけではなく、売れるからという動機が大きかったようだ。しかし、明治時代に販売されたというものなどは、一般にはとうてい手が届くものではなかったらしい。というのも、教員の一か月の給料が7円だった当時、その5倍ほどの高値だったという。では、なんのために・・・・・・。疑問は残る。
それにしても、これらの着物の収集と研究には、精神的にも、物理的にも相当のエネルギーを費やされたことと頭が下がる気がした。
乾淑子(いぬい・よしこ)氏について:山梨県出身、札幌市在住。東海大学教授(美術史)。著書に「図説 着物柄にみる戦争」(インパクト出版会)など。
毎日JPホームページにての関連記事について、詳しくはこちら。
《紀伊国屋書店内のポスター》
《戦争柄の着物をバックに講演される乾氏》
《ご自身も戦争柄の着物を素敵にお召しになっていました。》