雨のち晴れ。最低気温20.6℃、最高気温29.1℃。
開拓の村の桑畑
今日は、旧田村家北誠館蚕種製造所で蚕の糸繰りの実演を見させていただきました。
カイコ蛾は幼虫からサナギになる時に糸を出して繭を作るのですが、カイコ一個の繭の糸は1㎞から1.3㎞以上あるそうです。最初、繭を作るスペースに仮の糸を貼り、約2日かけて本繭を作ります。糸を吐くため口から接着剤になる液体(セリシン)を同時に出し、絹糸にセリシンを塗り付けて体を8の字型に動かしながら糸を貼ってゆきます。
糸繰りは60℃ほどの湯に繭を入れ、繭の糸の端がお湯に漂い始めたら、小さめの箒のような刷毛で掬い取ることから始まります。お湯で接着剤の役割を果たしているセリシンが解けて糸先が出てくるためです。その糸先を糸車にかけて、ヨリをかけて回します。糸の太さは10本でも0.01mmと大変細いものとのことです。
こうして、繊細な作業を通して絹糸が巻き取られ、それが絹織物になるのです。和服一人分に使う繭は約一万個だそうで、値段が張るのもうなづけました。