♪シンガーソングライター★近井智沙子のブログ☆彡

シンガーソングライターは趣味と言い切る近井智沙子のちょっとした日常を書き留めます。

まぼろしの女

2005-11-22 | Tue:推理小説と私
前回挙げた金の星社の『少女・世界推理名作選集』の
中に、アイリッシュを飛躍させたと言ってもよいほどの
代表作「まぼろしの女」がある。

推理作家としては群を抜いた情景描写、心理描写で
読者を魅了させていく彼独特のタッチがあるが、
「夜は若く、彼も若かった。が、夜の空気は甘いのに
彼の気分は苦かった。」で始まる「まぼろしの女」の
冒頭部はあまりにも有名である。

ただし、『少女・世界推理名作選集』は子供向けなので
そのような始まり方ではなかったが、すっかりアイリッシュ
ファンになっている私としては、その他の本で読んだ
“あとがき”からこの「まぼろしの女」の評判を知っていた。

だからこそ、今度ばかりは少し期待感もあったのかも
しれない。

無実の罪を着せられた死刑執行を目前とした主人公。
きっとこれも最後の最後には無実が証明でき刑を免れる
ことができるんだろうと思い読んだ。パターンだ。

それは想像通りなのだが、実はその真相にびっくり仰天
驚かされる。筋が読めていても真相までは全く読めない。

しかし、私にとってこの作品はあまりに読む前から
楽しみにしすぎたため、それほど印象深いものではない。
アイリッシュを読んでいく中で通過点的な作品となった。

けれども、推理小説フリーク友人に私がアイリッシュを
絶賛していたら、あるとき興奮状態で私に電話をくれた
ことがあった。「まぼろしの女」を読んで、感動したらしい。

その心の高揚を友人と共有できるのは何とも楽しく、
嬉しいものだ。
コメント (3)
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