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この人には「表現の隘路」などという言葉は存在しないのではないか――中川セツ子さんの変幻自在の作品をみていると羨望を禁じ得ない。游文舎では6年ぶり2回目の個展となる。自己模倣を嫌い、過去の作品を紙で覆いさらに描き、むしり、貼り加える。過去の作品との思いがけない協奏もある。それらの作品がずっと気になって追いかけてきたのだが、裏切られることはなかった。同じような手法を使いながらも必ず変化が見て取れるからである。そしてそのたびに既成の絵画から解き放たれていくすがすがしさを感じるのである。
今展も4月に新潟で個展をしたばかりにもかかわらず新作を加え、なおかつ会場を意識し、ほとんど無彩色のモノトーンによる作品群でまとめてきた。「夢」や「向こうの方で」といったタイトルが多く見られるように、おそらく自動記述的に描かれたであろう、夢遊で逍遙するような画面である。とりわけ空間が印象的だ。描かれていない部分の向こうにかすかに過去の痕跡が透けて見える。観るものをも引きずり込んでいく静かな力がある。(霜田)
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