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60歳からの眼差し

人生の最終章へ、見る物聞くもの、今何を感じるのか綴って見ようと思う。

フェイスブック

2011年02月04日 11時14分24秒 | Weblog
今月末発表のアカデミー賞で作品賞は「ソーシャル・ネットワーク」と「英国王のスピーチ」という
2本が最有力候補であるらしい。先週その1本「ソーシャル・ネットワーク」という映画を見て来た。
この映画実話に基づいていて、ハーバード大学在学中のマーク・ザッカーバーグという主人公が
ネットワーク・サービス「フェイスブック」というソーシャル・ネットワークを設立する。それはたちまち
評判となり世界的な規模に広がっていった。しかし同じ大学内で上級生が運営する従来のサイト
のパクリだと反感を買ったり、金を出してくれた友人を裏切ることになったりと、大勢の人達を敵に
回すことになるなど、大学生たちの間に生じる愛憎を緊張感豊かに描いた作品である。

主人公のマーク・ザッカーバーグは最近では最も成功した起業家であり、マイクロソフト創業者の
ビル・ゲイツやアップル創業のスティーブ・ジョブズに匹敵するスケールを持った人物と言われる。
現在の企業価値は500億ドル(5兆円)、2010年における「フェイスブック」のディスプレイ広告
収益は16億ドルで、グーグルの10億ドルを上回る見通しのようである。そして彼の推定資産は
1兆円、年齢は26歳と世界で一番若いミリオネアと言われている。

私はそれほど面白い映画とは思わなかった。ではなぜアカデミー賞候補なのだろうかと考えると、
そこには成功までの紆余曲折の中で、友情や金にまつわる裏切りや嫉妬といった人間の欲望が
フィクションではなく、現実の話しとして描かれているから迫力があるのである。そしてそれに加え、
一つのチャンスを生かしてビックになるというサクセスストーリーが、アメリカンドリームに繋がって
いるからだろうと思う。

ソーシャルネットワークとは、人と人とのつながりを促進しサポートする、コミュニティ型の会員制の
サービスと定義される。フェイスブックは2010年のサイト訪問者数がグーグルを超えてアメリカを
はじめ多くの国で、この分野のシェアでトップに躍り出ている。今現在の登録者数は6億人に迫る
勢いで、日本でも既に300万人以上の会員がいるという。なぜ、フェイスブックがそれほど急速に
広がって行くのか?その主な理由は、他に比べての最大の特徴は実名性にあるということらしい。
そしてそのクオリティーを維持するために、実名でないとアカウントは停止処分とされることもある。
日本ではソーシャルネットワークと言えば「mixi」が有名で、現在2000万人の会員登録があると
言われている。しかし日本の「mixi」は基本的に匿名で発展をしてきた。だから実名を使うことが
コンセプトのフェイスブックは日本ではなかな根付かないのではないかという声も多いようである。

匿名の「mixi」と実名の「フェイスブック」、何がどう違うのか?やはりやってみなければわからない。
そんなことから「百聞は一見に如かず」映画を見た後フェイスブックの会員になってみることにした。
登録に際し自分の写真を掲載し、実名を入れ生年月日を入れ、会社名や居住地や出身地、高校、
大学の出身校まで登録していく、それに加えて恋愛の対象まで聞かれるのである。言ってみれば
自分のことを事細かく書いた顔写真付きの名刺を全世界に晒すようなものである。

個人情報をここまで晒して大丈夫なのだろうか?そんな不安はぬぐいきれない。それともう一つ、
例えば私が年齢も経歴も偽り、写真も福山雅治に似せた写真を掲載したとしてもその偽りを誰も
チェックできないし、正すこともできないのではないだろうかと思う。だから悪意のある輩はこれを
詐欺の手段に使わうだろと心配になる。しかし我々が心配するようなことはアメリカでは問題には
ならないのかもしれない。「自分の身は自分で守る」、そのために拳銃も認める国である。フェイス
ブックに関わるトラブルは全て自己責任なのであろう。そんなことで躊躇するより、ネットの進化の
中で、より効率よく実名で検索しアクセスすることで実効を得られる。その方が優先するのだろう。
「おれおれ詐欺」ではないが、社会や人を簡単に信用しまう性善説の多い日本人気質と、人とは
信用できないという考えで、自己責任が前提のアメリカ人の気質の違いがあるのかもしれない。

さて実際に登録して自分のページを見ると、そこには、この人「知り合いかも?」という表示の下に
何人もの顔写真が並べてある。多分自分が記入したキャリアに適合すると思われる相手を選んで
勝手に引きあわせてくれているのであろう?その中から、これはと思う人を選んで「友達になる」と
いう所をクリックすれば相手にサインが行くのだあろうか?
もう少し共通の経歴の人は居ないかと思い学校名を入れて検索すると、2名が「いいね」と言って
いるというサインが出てくる。これは何を意味しているのだろうか? いろいろと試してみたいから、
自分の名前を入れて検索してみると、一番最初に私の顔写真と名前が出て来た。

要はインターネットの検索機能を使い自分に合った条件の人をより具体的に、且つ迅速に探し出し
その人とコミュニケーションしていこうというサイトのようである。mixiは仮面を被っての交流が主体
であるから、ある種気軽さがある。しかしそれに比べ、相手の顔写真が見えキャリアが判った上で
アクセスするのには、大きな責任意識と戸惑いと、気恥ずかしさがでてくるものである。そのために
次のステップに進むことを躊躇してしまう。さてどういう風にすればどうなるのか?だれか気安い人
を誘って試験的に交流してから、本格参入してみようと思っている。

先日ラジオ番組で現在の無縁社会とこのフェイスブックとを組み合わせて、孤立する高齢者対策の
切り札にしたらどうだろうということを言っていた。相手が判った上でネットでコミュニケーションする、
高齢者個々の状況把握、健康管理等々高齢者をネットで結ぶことで、少しでも孤立感を軽減でき
るのではないか、そんな内容であったとうに思う。しかし、将来的にはそんなことも可能であろうが、
今のアナログ世代の年寄り相手では、それはほとんど不可能なように思う。
今からはインターネット抜きでは考えられない時代になりつつある。そんな変化の中でも我々世代
はあえて関わりを持とうとしなければそれはそれで済んでしまう。そして世の中の変化の中で益々
孤立してしまうのであろう。しかし考えようによっては人生の最終章にさしかかって、こんな大きな
変化を体験ができることは喜びでもあるように思える。少しでもその渦の中に巻き込まれ緊張感を
味わうことができれば、自分は「今」に生きているという実感が持てるのではないだろうか。

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