品川区では、毎年文化の日に合わせ、区の文化財の一般公開を行っているが、今年は、3~5日の間で下記の8箇所の文化財が公開されている。
① 旧品川警察署品川橋交通待機所 ( 令和5年度国登録有形文化財)
② 品川 神社神輿、板垣退助墓
➂ 寄木神社、鏝絵天鈿女命功積図
④ 長徳寺、紙本着色六道絵
⑤ 文庫の森、旧三井文庫第二書庫 (令和2年度国登録有形文化財)
⑥ 養玉院、木造五智如来坐像
⑦ 伊藤博文墓 伊藤博文公墓所
⑧ 居木神社末社厳島神社(旧松原家屋敷神)
②⑥については、いつでも見られるし、➂⑤⑦については、過去に見に行ったことがあるので、今回はスキップし、家の近くにある長徳寺の紙本着色六道絵を見に行ってきた。ついでに、家の近くなので、①、➂についても立寄ってみた。
旧品川警察署品川橋交通待機所は、今年8月に国登録文化財として指定されたようであるが、この建物は普段、区の「まちなか観光案内所」として、使われており、週に何日か常駐のスタッフがおり、品川宿の観光案内所として活用されている。1931年に警察の派出所として建てられ、1954年頃まで使われていたようである。 寄木神社にある鏝絵天鈿女命功積図は、今までに数回見に行ったことがあるが、石の蔵造りの本殿の2枚の扉に描かれた名工、伊豆の長八の手に依る漆喰鏝(こて)絵で、天の岩戸開きと天孫降臨における天鈿女命の功績をあらわしたもの。本殿の左扉上方には天照皇大神、下方に天鈿女命、右扉には雄々しい猿田彦大神が見事な技法で作られている。普段は見られないので一見の価値はある。
長徳寺は我が家から4-5分のところにある1463年創建の時宗のお寺で、閻魔堂に木造閻魔王坐像が祀られており、閻魔の世界が描かれた「紙本着色六道絵」が掲げられており、地元の人には「南品川のおえんまさま」と呼ばれている。生前悪事を働いた人々が死後の世界で苦しむ様子が、これらの絵に鮮明に描かれており、参詣者に恐怖を視覚的に伝えることで、勧善懲悪の理を説くために使われたようである。六道とは、仏教の教説で、自らの行為の結果として、輪廻転生する六つの世界、地獄道、餓鬼道、畜生道、阿修羅道、人道、天道を指すという。1849年に寄進されたようであるが、現存するのは5枚だけである。絵をじっくり見たが、まさに怖い地獄の世界を見ているようで、恐怖心を覚えた。参道入口の旧東海道沿いにある和菓子屋さんには、えんまさんにちなみ、名物のいなりずしを一味唐辛子で味付けした「閻魔いなり」が売られている。
有名な伊藤博文のお墓もこの文化財一般公開の時しか見られないので、貴重な機会である。今までに、3-4回はお参りに行ったことがある。伊藤博文のお墓の近くにある養玉院の木造五智如来坐像も高さ3mもあり迫力がある。薬師如来、宝生如来、大日如来、阿弥陀如来、釈迦如来の五つの如来さまが並んで鎮座しているので、見応えがある。何回もお参りしたことがあるが、意外と知られていないスポットで好きである。毎年、文化の日前後に行われる文化財一般公開は楽しみの一つとなっている。
画像は、旧警察署の派出所
六道絵の一つ
鏝絵天鈿女命功積図
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