
4月20日のTBS世界遺産は、ベトナム中部の古都ホイアンの港町であった。ホイアンは、ダナンの南方、30㎞のところにある15~19世紀の航海時代に東南アジア屈指の貿易港として発展した港町である。建ち並ぶ家々の多くが、外国との交易で財を成した かつての商家である。
運河が巡るかつての港湾都市は、多様な文物が交差したという歴史が、現存する建築物に反映されていて、中国風の木造のショップハウスや寺院、色彩豊かなフレンチ コロニアル様式の建物、凝った造りのベトナムのチューブ ハウス、仏塔がある屋根付きの日本橋(来遠橋)まで、さまざまな時代と様式が混在している。
ホイアンを訪れたのは、昨年の12月なので、まだ記憶に新しいが、現地のツアーといっても、実際は二人きりだったので、貸し切り状態で、この古都を訪れることになった。ホイアンは、まさに情緒あふれる街並みで、夕方に街中を散策し、有名な日本橋や福建会館や海のシルクロード博物館などを見学した後、ホイアン料理の夕食をいただき、暗くなってまた街の散策に戻った。あいにく、連日の雨でホイアンの町が洪水に見舞われ、川の向こう側にあるナイトマーケットのほうに行くことができなかったのは残念であった。ホイアンの町は、綺麗なランタンが有名で、夜になると一層ランタンの灯りで町全体が情緒あふれる景観となり、灯篭流しも行われている。
日本からもかつては朱印船が盛んにホイアンへ来航し、16世紀末の最盛期には1000人以上の日本人が住む日本人街もできていたようである。当時の名残である来遠橋(日本橋)は1593年に日本人によって建てられた屋根のある橋でベトナムの2万ドン札にも印刷されている。橋の中央にはなんと小さなお寺があり、お寺の両側には犬と猿の像(建設が申年に始まり犬年に完成)がある。ホイアンのシンボルにもなっていて、その荘厳な姿、特に夜はライトアップされてその美しさに魅了される。徳川家康は、ホイアンで取れる香木が大好きであったようである。一度は訪れたい古都である。
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