桜島では年明けから噴火活動が活発で、13日までに30回の爆発が観測されています。
新春寒波が和らいだ13日未明に桜島へ出かけました。
鹿児島港から3時半発の桜島フェリーに乗り海路15分、桜島を南側から半周ほどして4時半頃、昭和火口の見える撮影ポイント桜島東部の黒神(くろかみ)橋に入りました。
静かに煙を上げる昭和火口 5時12分
火口の様子 4時35分 左側は南方向(鹿児島市街地は画像の真後ろ)
赤く見えるのは火口内の赤熱や火炎が雲や噴煙に映って赤く見える「火映(かえい)現象」です。肉眼ではぼんやりとしか見えませんが、80-400mmの望遠ズームレンズを使い、露光30秒で撮影するとこのように写ります。
昭和火口は昭和20年代に溶岩を流出させています。南岳の活動で埋まっていましたが2006年に活動を再開しています。
南岳(山頂)火口は幅700m、深さ450m程度の巨大なすり鉢状で、内部は北側にA火口、その南東側にB火口があります。昭和火口は8合目斜面に開口しており、配列で見るとC火口のような位置関係です。
噴火活動の継続により昭和火口の大きさは400m近くまで拡大し、現在は火口西側斜面上部が南岳B火口斜面の最上部とつながっています。昭和火口内には南北2箇所の火孔があるようです。画像では南側の火孔から煙が上がっています。
下弦の月と明けガラス 7時00分 日の出は7時18分 月齢は22
朝日が当たり始めた黒神橋 7時40分 右上は国土交通省の火口監視カメラ
上空には下弦の月が残り大隅半島方向からカラスが北へ何羽も飛んでいきました。東空の羊雲は朝焼けしましたが、桜島山頂付近では色づきませんでした。近くにある黒神中学校生徒がヘルメットをかぶり通学していきました。
煙が一時的に途絶えた 9時36分
9時41分に上がり始めた噴煙 9時42分
撮影地を北側に移動して昭和火口を撮影したものです。噴煙は少しずつ上がり続けていましたが、9時36分に止まりました。これは噴火や爆発前によく見られる現象です。
9時41分にやや勢いのある噴煙が出始めて数分後には火口上1400mの高さまで上がりました。桜島の噴火としてはごく弱い規模ですが、火口から3kmほど離れた撮影地ではジェット音が響いてきました。
話は少しややこしいのですが、桜島の噴火と爆発の違いは何でしょうか?
ごく簡単に言えば、ドッカーンと音がして噴石が飛び出し噴煙が勢い良く上がる噴火が「爆発」です。爆発の場合は噴煙高度が1000m未満、または雨や雲などで噴煙が見えない場合も記録されます。夜間に花火のように赤い噴石が斜面に飛び散るのは殆どが爆発です。
昭和火口から飛び出す噴石 撮影 2011/05/05
爆発ではないが、噴煙の先端部が火口の縁から1000m以上の高さに達したものが桜島では噴火として統計上記録されています。
噴煙高度は噴火規模だけでなく風の影響もかなり受けます。季節風が強い冬場では上空の風に抑えられて噴煙高度が低めで、風の弱い日には噴煙は高く上がります。噴煙高度は噴火活動規模の指標ですが、上空の風を考慮する必要があります。
桜島では噴煙が1000m未満の噴火は統計上はカウントしません。桜島はあまりにも活動が活発なので小さな噴火まで記録していられないためです。噴火の定義や観測基準は火山によって違いますので、詳細は気象庁の取扱いを参照してください。
有村展望台から撮影 11時46分
火口付近の拡大画像
有村展望台は昭和火口の南東側に位置し、北西の季節風が続く冬場は火山灰が多く降ります。売店、トイレ、休憩所、遊歩道が整備され観光客・団体バスが立ち寄ります。近年は円安傾向も追風になり韓国、中国、台湾からの観光客が多いようです。桜島は観光滞在地と言うよりは通過ポイントになっており、島内のホテル宿泊者数は減少傾向です。
昭和火口は拡大していますが、ここから火口縁は見えません。火口付近を拡大した画像では色の少し濃い火山砂礫が斜面を流れた跡が見えます。
桜島島内の方と話をしましたが、山体膨張とは聞くが噴火は普段と変わらないそうです。この先も大きな噴火はないと感じているようです。昨年の木曽御嶽山の噴火予知ができなかったこと、火山観測体制整備が必要なこと、桜島の大正大噴火の時期でもあり、噴火への注意がマスコミでも大きく取り上げられたようです。
鹿児島港に入るフェリーから 12時44分
日差しは柔らかいのですが、風の当たる甲板上は寒かったです。この日は桜島に4時過ぎから12時頃まで滞在し、噴火は一回だけで穏やかな桜島でした。長期的に見ると大きな噴火がいつかは起こるのでしょうが、桜島を朝夕目にする鹿児島市民としては穏やかであってほしいと願うものです。夜間爆発画像以外は全て2015年1月13日に撮影したものです。
新春寒波が和らいだ13日未明に桜島へ出かけました。
鹿児島港から3時半発の桜島フェリーに乗り海路15分、桜島を南側から半周ほどして4時半頃、昭和火口の見える撮影ポイント桜島東部の黒神(くろかみ)橋に入りました。
静かに煙を上げる昭和火口 5時12分
火口の様子 4時35分 左側は南方向(鹿児島市街地は画像の真後ろ)
赤く見えるのは火口内の赤熱や火炎が雲や噴煙に映って赤く見える「火映(かえい)現象」です。肉眼ではぼんやりとしか見えませんが、80-400mmの望遠ズームレンズを使い、露光30秒で撮影するとこのように写ります。
昭和火口は昭和20年代に溶岩を流出させています。南岳の活動で埋まっていましたが2006年に活動を再開しています。
南岳(山頂)火口は幅700m、深さ450m程度の巨大なすり鉢状で、内部は北側にA火口、その南東側にB火口があります。昭和火口は8合目斜面に開口しており、配列で見るとC火口のような位置関係です。
噴火活動の継続により昭和火口の大きさは400m近くまで拡大し、現在は火口西側斜面上部が南岳B火口斜面の最上部とつながっています。昭和火口内には南北2箇所の火孔があるようです。画像では南側の火孔から煙が上がっています。
下弦の月と明けガラス 7時00分 日の出は7時18分 月齢は22
朝日が当たり始めた黒神橋 7時40分 右上は国土交通省の火口監視カメラ
上空には下弦の月が残り大隅半島方向からカラスが北へ何羽も飛んでいきました。東空の羊雲は朝焼けしましたが、桜島山頂付近では色づきませんでした。近くにある黒神中学校生徒がヘルメットをかぶり通学していきました。
煙が一時的に途絶えた 9時36分
9時41分に上がり始めた噴煙 9時42分
撮影地を北側に移動して昭和火口を撮影したものです。噴煙は少しずつ上がり続けていましたが、9時36分に止まりました。これは噴火や爆発前によく見られる現象です。
9時41分にやや勢いのある噴煙が出始めて数分後には火口上1400mの高さまで上がりました。桜島の噴火としてはごく弱い規模ですが、火口から3kmほど離れた撮影地ではジェット音が響いてきました。
話は少しややこしいのですが、桜島の噴火と爆発の違いは何でしょうか?
ごく簡単に言えば、ドッカーンと音がして噴石が飛び出し噴煙が勢い良く上がる噴火が「爆発」です。爆発の場合は噴煙高度が1000m未満、または雨や雲などで噴煙が見えない場合も記録されます。夜間に花火のように赤い噴石が斜面に飛び散るのは殆どが爆発です。
昭和火口から飛び出す噴石 撮影 2011/05/05
爆発ではないが、噴煙の先端部が火口の縁から1000m以上の高さに達したものが桜島では噴火として統計上記録されています。
噴煙高度は噴火規模だけでなく風の影響もかなり受けます。季節風が強い冬場では上空の風に抑えられて噴煙高度が低めで、風の弱い日には噴煙は高く上がります。噴煙高度は噴火活動規模の指標ですが、上空の風を考慮する必要があります。
桜島では噴煙が1000m未満の噴火は統計上はカウントしません。桜島はあまりにも活動が活発なので小さな噴火まで記録していられないためです。噴火の定義や観測基準は火山によって違いますので、詳細は気象庁の取扱いを参照してください。
有村展望台から撮影 11時46分
火口付近の拡大画像
有村展望台は昭和火口の南東側に位置し、北西の季節風が続く冬場は火山灰が多く降ります。売店、トイレ、休憩所、遊歩道が整備され観光客・団体バスが立ち寄ります。近年は円安傾向も追風になり韓国、中国、台湾からの観光客が多いようです。桜島は観光滞在地と言うよりは通過ポイントになっており、島内のホテル宿泊者数は減少傾向です。
昭和火口は拡大していますが、ここから火口縁は見えません。火口付近を拡大した画像では色の少し濃い火山砂礫が斜面を流れた跡が見えます。
桜島島内の方と話をしましたが、山体膨張とは聞くが噴火は普段と変わらないそうです。この先も大きな噴火はないと感じているようです。昨年の木曽御嶽山の噴火予知ができなかったこと、火山観測体制整備が必要なこと、桜島の大正大噴火の時期でもあり、噴火への注意がマスコミでも大きく取り上げられたようです。
鹿児島港に入るフェリーから 12時44分
日差しは柔らかいのですが、風の当たる甲板上は寒かったです。この日は桜島に4時過ぎから12時頃まで滞在し、噴火は一回だけで穏やかな桜島でした。長期的に見ると大きな噴火がいつかは起こるのでしょうが、桜島を朝夕目にする鹿児島市民としては穏やかであってほしいと願うものです。夜間爆発画像以外は全て2015年1月13日に撮影したものです。
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