『十二国記』の新作『白銀の墟 玄の月』四巻本を読了。
ここに描かれているもっとも特徴的なことの一つは、限りある「天命」のただ中で懸命に生きる者たちを時には愛おしく時には冷酷に描く小野不由美の筆致。それが主題の一つなんだろうという印象。
年末年始の仕事を終えた気分だ。
昨日夜中に読み終わったため、なかなか寝付けずに参った。
中身について言うと無論文句なしに面白いのだが、解説子も指摘していたとおり、十二国記の世界観そのものの物語、というに近い。
失われた「王」の探索にしては長すぎる。道を見失った「偽王」の物語というには物足りない。
むしろ失われた「王」とその「道」および「失道」をめぐる庶民、兵士、将校、宗教者、官僚etc.様々な国の人々の想いに焦点が当てられ、丁寧に描かれている。
だかや今回は王の物語、というより「麒麟と王」というシステムの物語、という感じもする。
むしろ失われた「王」とその「道」および「失道」をめぐる庶民、兵士、将校、宗教者、官僚etc.様々な国の人々の想いに焦点が当てられ、丁寧に描かれている。
だかや今回は王の物語、というより「麒麟と王」というシステムの物語、という感じもする。
麒麟のシステムに馴染んでいる十二国記ファンには泣ける話です。
初心者は、これを、読む前にぜひシリーズを読破してほしいと思うなあ。
ここに描かれているもっとも特徴的なことの一つは、限りある「天命」のただ中で懸命に生きる者たちを時には愛おしく時には冷酷に描く小野不由美の筆致。それが主題の一つなんだろうという印象。
よくもまあ20年近い時を経て続編を書いてくれたものだ。
作者に感謝すると同時に、オレの人生が終わるまでには完結しないんだろうな、とも思うと、ちと切ない(笑)