龍の尾亭<survivalではなくlive>版

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pomeraDM200の感想(続)

2018年07月18日 23時40分56秒 | ガジェット


pomeraDM200の感想(続)

折りたたみ型ではないポメラDM200を購入して4日過ぎた。使用感を思いつくままに。

1,なんとかバッグに入れることができた!

全長(横幅)が260mmもあるこの横長ポメラは、私の愛用する吉田カバンのポータータンカーのショルダーバッグに入らないのが購入をためらった最大の原因の一つだった。
ヨドバシ郡山の店員さんも「持ち運びするならDM30ですよ」と言ってくれた。
その通りである。しかし、こちら(DM200)の方がモノとしてのしっかり感があって、変換速度の遅いDM30はどうしても購入に踏み切れなかった。

そうしたらなんと、無理をすれば(バッグのマチの部分を横幅のために飛び出させれば)、なんとか愛用バッグが壊れない程度の負荷で入れることができるではありませんか!
これで懸念の一つは解消。

2,PCやスマホとのデータリンクが思ったより簡単だった

①pomera_sync
②アップロード
③文書をQRコード化して画面表示

三種類の方法がある。上二つはWi-Fi接続環境と、Googleなどのメールアドレスが必要だ。
すっきりやりとりをしたかったので、pomera専用のGoogleアドレスを新規に取得して設定すると、簡単に転送することができた。

私の場合ポメラは入力専用端末なので、
ポメラ→PC&スマホ
がほとんどで
PC→ポメラ
は今のところ必要を感じていない。
同期を図るには①が便利だが、ポメラから転送するなら②でも③でも構わない。
私は今のところ①を使用中。快適です。
毎回Wi-Fi接続をしてからpomera_syncの同期をするという二段階の作業になるので、1回に数十秒時間を取られるのはやむを得ないところ。入力中は本体に保存し、区切りのよいところで転送、というのが良さそうだ。
QRコードは一番手軽だが、長文は分割が必要になるので、スマホ側でコピー&ペーストを繰り返さねばならない。短い文章ならば最初からスマホで書けばいいわけで、これはWi-Fi環境を利用しにくい場合の補助と今のところ考えている。

3,インターネット環境を持たない強み

この夏、原稿を二本仕上げなければならないという状況になったのに、普段使っていたXperiaZ4tabletが二度目の故障を起こした。
メインの入力端末を失ったため、スマホ入力で乗り切るか、デスクトップPCの前に座って根性を決めて書くかの二択を迫られることになる。

そこで、以前から考えていたポメラに目がいったのだが、結果としては正解だった。タブレットでもスマホでもPCでも同じなのだが、とにかく様々に誘惑が多い。
YouTubeでもWebブラウジングでもSNSの応答でも、とにかく暇つぶしの種に事欠かないネット端末の中では、仕事を持続できないのだ。

ポメラなら、テーブルの上にこれ一つあれば文章は書ける。この効用は追い詰められた状態ではかなりありがたい。

とはいえ、冷静に考えてみるとこのポメラのレビューも厳密に言えば原稿から逃避しているといえば逃避していると言えなくもない……のだが、とにかくモノが書ける環境であることは間違いない(苦笑)。

4、手になじむ大きさと打鍵感

 キーボードのピッチが18mm以上あるので、ブラインドタッチが極めて自然にできる。しかも折りたたみではないのでガタつきは皆無だ。
 キーストローク(打鍵の深さ)はそれなりだが、この手の端末としてはかなり良い感触の部類ではないか。ペコペコとした感触はなく、きちんと打鍵に呼応して入力をしてくれる印象だ。ひたすら文字を打つ仕事、というのなら、確かにPCに接続してある東プレのRealforceの方がいい。しかし、ポメラに求めているのはキーボード入力作業ではなく、思考プロセスを余計な要素なしに文字にしていく作業だから、このハードで十分だ。
これで約100行ほど入力したが、追随性もよく、誤打鍵も誤変換もほぼなしだ。
携帯できる入力端末で、この気持ちよさが味わえるものは他にないのじゃなかろうか。
NECのモバイルギアも使ったし、シグマリオン3も使った。SONYが作ったアップルのノートPCも使った。だが、それらの「歴史」を踏まえても、このDM200が一番手になじむ。

画面のスクロールも十分な速度があるし、最初から違和感なしに使える。
もっと早く買えば良かった、と正直に言える一台になった。

4,使う人を選ぶ道具ではある

 私にとっては大正解だったが、この端末は使う人を選ぶと思う。とにかく文章をいつでもどこでも同じ環境で打ちたい人には向いている。逆に、スマホやタブレットのように多機能なものを求める人は不自由を感じるだろう。
正直のところ、最初は「このスペックで折りたたみにしてくれたらよかったのに」と思った。しかし、折りたたみでないからこそのソリッドな打鍵感だし、電池駆動ではこのDM200に搭載されたATOKの性能は出せなかったのだろう。
そう考えれば、DM200が自分にとっての最適解だったのだと改めて思う。

この夏、このポメラDM200を使い倒して、なんとか原稿二本を仕上げたい。

師匠の新盆には間に合いそうもないけれど。



読むべし『ののはな通信』三浦しをん

2018年07月18日 22時25分56秒 | メディア日記


三浦しをん『ののはな通信』読むべし。
乙女心(おとめごころ)を持っているすべての人に、一刻も早く読んでほしい一冊。

ということは逆に、たとえ性別が男であろうが、女であろうが、乙女心がない人は読んでもしょうがないかもしれない(笑)。

ざっくり枠組みを言うと、ミッション系のお嬢様仕様の女子校で出会った二人が恋に落ち、そして別れた後もお互いを愛する気持ちを抱えながら、時に音信不通になったり、またやりとりを再開したりつつそれぞれの半生を生きていく様子を、「往復書簡体」で描いた小説、ということになる……のだが、三浦しをんだからといっていいのかどうかも分からないが、一筋縄ではいかないし、とにかく超絶面白い。

あそこのあたりもう少し刈り込んでもいいのでは?なんて余計な感想を持ったりもするが、そういうことじゃないんだな、たぶん。

とにかくクーラーなしの劣悪な環境にもかかわらず「巻措く能わざる」気分を久しぶりに味わわせされた。

まずは読んでみてほしい。

「もし面白くなかったら、ブーイングは甘んじて受けるよ」

ってなスタンスをとりたくなるのは、もうすでに魂が作品の虜になっている徴候かもしれないのたが(笑)。

いや、やられました。

これは読後感を聞いてみたい種類の本です。
といいつつ、予め聞く人を選ぶかもね。つまらない反応だったら残念だもんねぇ。

最後はどうなんだろう、とかも思ういますよ。
いや、これでいいのかな、とも。

いろいろそういう意味でも考えさせられました。

「書簡体」って嘘も真実も書けるから面白いね。

ある意味で書簡体の語りはまずもって「あなたにとってのあなた」であり、単なる二人称とか一人称とかいうだけでは終わらない。

この「あなたにとってのあなた」ミラーリングシステムを仮に「乙女心エンジン」と呼ぶなら、高性能エンジンを積んだ小説であることに間違いない。そしてそのエンジンの行く末まで描ききった小説なんて今まであっただろうか。

そういう意味では漱石の『こころ』のあまりにも長すぎる手紙(遺書)を彷彿とさせるところも(方法的にはちょっとだけ)あったかな。

夏の夜、よろしかったらぜひ。