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温暖化で、身バレの植物 ⑴

2022年08月26日 07時19分38秒 | オオバコ科
2013.06.12撮影

この花は、何でしょう。接写しているのでわかりにくいかもしれませんが、これは、キンギョソウ(Antirrhinum majus)です。漢字で「金魚草」、その名のとおり、金魚のような花を咲かせます。次の画像なら、もっと金魚に見えますか。

2013.06.12撮影

英名は、Snapdragon で、和名が花を金魚の全形にたとえたのに対し、英語では、「竜(dragon)」が「パクリとかみつく(snap)」という、竜の頭、あるいは、口だけの形状にたとえてあります。この花は、花の脇を指でつまむと、花弁が「パク」っと開きます。それが、英名の由来です。

このキンギョソウ、わたしは長年だまされていました。

キンギョソウを庭で作ると、時々、冬場でも枯れてしまわないし、翌年も咲くし、でも、なくなってしまうこともある・・・。また植えると、数年続けて花を咲かせたり・・・。一年草のはずが、これはどうした。植物屋さんのラベルには、はっきりと「一年草」と書いてある。

不思議で仕方がなかったのですが、あまりにも楽々と越冬してしまうし、根本が木化して立派になるし、これは、わたしの花づくりの技術が相当なものであるか、あるいは、本当のところは多年草であるか、に違いない、と思いました。調べてみると、わたしの技術は関係なくて、実際に多年草でした。

わたしの住むカナダのバンクーバー(ブリティッシュ・コロンビア州のほぼ南端)は、北緯49度程度で、緯度の高さの割には暖かいところです。沿岸を暖流のアラスカ海流が流れ、冬でも雪が降ることはそう度々はありません。度々はない、とは言っても、降ることはあるんです。

アラスカ海流

北海道の最北で北緯45度であることを考えれば、バンクーバーは暖かいと思います。北海道の太平洋沿岸は、寒流の親潮(千島海流)が流れます。北海道もブリティッシュ・コロンビア州も、海流の大きな影響を受けるのでしょう。

親潮

わたし、前に、植物屋さんで、キンギョソウを前に、これ一年草じゃないよね、多年草だよね、うち、毎年咲いているよ、と言うと、はあ? だれがこれを多年草として育てるんだよ、ガーデニング、知らないな? 毎年新しいのを植えればいいんだよ、みたいなことを言われた覚えがあります。まあ、そりゃあ、植物屋さんとしては、毎年苗を買ってくれた方がお得なのだろうけど。

バンクーバーのような「比較的寒冷なところ」では、多年草が一年草として売られていることは、普通にあることです。ひと夏楽しんで、来年はやり直しね、と言うことです。「一年草」で夏を飾る、季節限定ガーデナーの人もたくさんいます。

と・こ・ろ・が、、、、、これが通らなくなった。温暖化で、一年草呼ばわりされてきた多年草が、身バレを始めた。ほぼ確実に越冬していく。他にもあるんですよ、そういう植物は。

うちのキンギョソウは、ほぼ野草化して多くあったのが、数年前の「大雪」で消えちゃったので、来年また作ってみよう。

ところで、キンギョソウがオオバコ科(Plantaginaceae)だとは、つゆだに知りませんでした。ついでに言うと、その上がシソ目(Lamiales)だそうです。


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