羽ばたき飛行機製作工房

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デルタ・ツイスター開発史(第六部 派生型および特別仕様)

2012-05-30 23:44:29 | 製作記事(羽ばたき機)

これまで、デルタ・ツイスターの誕生からキット化までの経緯をまとめてきたが、キット開発の過程では、いくつもの派生型や、特別仕様の機体も製作されている。今回はこれらの機体を紹介する。

10. 各種派生型
編集部からのリクエストもあり、小型化、大型化などサイズを変更したバージョンや、キットの羽ばたき機構を利用しつつ外形を大きく変更したバージョン、逆に外形はそのままに推進方式を変更した実験機など、さまざまな派生型が製作された。
それぞれの機体については、いずれ個別記事で詳しく紹介するつもり。

小型化
改造作例として本誌にも掲載された機体。ふろくツイスターの1/3サイズ。重量はわずか0.76g。極細のカーボン・ロッドで構成している。ゴム動力。

大型化
上の作例と反対に、サイズを拡大した機体。大型化というと、昨年すでに主翼スパン70cmのIKAROSを製作しているが、この作例は主翼スパン54cm。ふろくキットと比べ約150%サイズとなっている(画像左がふろくツイスター)。電動RC仕様。

プッシャー
ゴム動力版についてはすでに紹介しているが、電動化バージョンが改造作例として本誌に掲載された。このタイプは、今回のキット開発の中で生まれた新しいアイディアを実証したもの。小型の後翼をツイストさせてプッシャー方式で推進する。主翼スパン50cm。


ウェーブ・ライダー
こちらも本誌に掲載された改造作例。オリジナル版の製作は4年前にさかのぼる。1枚の大きな翼面の後半分を波打たせることで推進する。電動RC仕様。

4年前にテストを行っていたオリジナル版。メカの配置など細部が今回の機体と異なる。

デルタ・フラッパー
本誌掲載の改造作例。新しいアイディアを形にしてみたもの。外形はデルタ・ツイスターとほとんど変わらず、パーツもほとんど共用しているが、前翼が左右ツイストではなく上下に首振り運動を行い、後ろ向きにうちわをあおぐようにして推力を生み出し飛行する。後翼は固定翼として機能する。ゴム動力仕様。

デルタ・ホッパー
デルタ・フラッパー同様、外形はデルタ・ツイスターとほとんど変わらないが、前翼が左右対称にふつうの羽ばたき運動を行うことで推進する。後翼は大型の固定翼として機能する。ゴム動力仕様。

11. 特別仕様
編集部からの依頼により、風洞実験用の特別仕様の機体も製作した。

風洞内で、実際の飛行時と同様のツイスト運動ができるよう、機体を保持するジンバルを製作。

実験計画に合わせ、サイズや形状の異なる前翼を製作。

初期プロトタイプから始まって、今回紹介したようなバリエーションを含め、キット開発の過程で製作した機体の総数は20機を超えた。
発売記念として、リビングの壁一面にディスプレイ中。

以上、長くなってしまったが、デルタ・ツイスター開発史はひとまずこれで筆をおくことにする。
この記事を読んで興味をもっていただき、この機体がふろくキットとして付属する大人の科学マガジンVol.34「デルタ・ツイスター」を手にとっていただければ幸いである。


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