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奈良の名所・古跡

行ってみたい所があるといいのですが・・・古墳とか建物とか巨樹とかいろいろ・・・

旧六十八銀行八木支店

2012年04月15日 | 文化財
旧六十八銀行八木支店
 県南部の現存する最古の鉄筋コンクリート造の1つです 撮影日;2012.04.08

 平成18年度に登録;旧六十八銀行八木支店(旧和歌山銀行橿原支店)
 現在はウエディングレストランとして活用されています「La BANK」
 近代建築の優美さと重厚なたたずまいで、道行く人々の目を止めます

 昭和3年竣工、設計は元奈良県技師・舟橋俊一氏です
 国道165号線沿いに建っています
 両翼を薄く張り出したルネッサンス風の形態で、中央部の玄関とその上部の半円形窓の左右にイオニア式の円柱を配しています
 幾何学的な細部や玄関廻りタイルの芋目地貼等に新味が認められます

 六十八銀行は旧郡山藩主柳沢保申が明治12年(1879)に提唱した国立銀行です
 その後、昭和9年(1934)に吉野銀行・八木銀行・御所銀行と六十八銀行は合併し、現在の南都銀行となりました
 昭和38年からは和歌山相互銀行橿原支店(後に改組により、和歌山銀行橿原支店)として使用されていましたが、支店統合で橿原支店消滅となりました
 一時は、映画館としても使われたそうです 

★所在地;橿原市八木町1-501-2
★交通;近鉄八木西口駅下車 徒歩3分
★駐車場;なし
★問合せ;0744-29-5902(橿原市文化財局文化財課)


良福寺阿弥陀橋石棺

2012年02月21日 | 文化財
 かつては阿弥陀橋に利用されていました 撮影日;2012.02.12

 直立する蓋石は、割られて当初の4分の1を残すのみです
 縄掛突起部を阿弥陀如来の頭部にみたてて祀られています
 全長146cm・幅65cm

 西側の蓋石は、元の阿弥陀橋に利用されていたもので、縦に半裁されています
 全長320cm・幅60cm

 東側の板状石材は、竪穴式石室の天井石の一部と考えられています
 全長215cm・幅85cm

阿弥陀橋蓋石 阿弥陀橋天井石

 これらの石材は、昭和44年に初田川から引き上げられました
 石材はいずれも凝灰岩製「兵庫県の竜山石」です

 この竜山石製の長持形石棺は、近畿地方では、古墳時代中期(5世紀)の大型古墳に埋葬されるものです
 香芝市では、狐井城山古墳付近から発見された刳抜式長持形石棺蓋石に次いで2例目で貴重な資料です
 (ふたかみ文化センターの石棺

★所在地;香芝市良福寺(阿弥陀橋東詰北側)
  狐井城山古墳の南約550mの所です
★交通;JR「五位堂」駅下車 徒歩15分(西へ約1km)
★駐車場;なし
★入場料;見学自由
★問合せ;0745-76-2001(香芝市教育委員会)


 傍らに阿弥陀橋由来記が設置されています

仏隆寺の入定石室

2012年01月20日 | 文化財
 古墳の石室に似た造りをしています 撮影日;2012.01.08

 平安時代後期の貞観元年(859)の構築と伝えられます
 国の重要文化財に指定されています

入定石室内の五輪塔 宝形造りの石室で、高さは3.8m・幅は6.8m
 高さ2m・幅72cm・奥行き5.2mの羨道が付きます

 石室内部には玄室を設けて五輪塔が置かれています
 五輪塔は、高さ98cmで鎌倉時代末期の作です 
 佛隆寺の僧で貞観9年(867)7月5日に入定した堅恵上人の墓と伝わります

 佛隆寺の本堂の裏側に十三重の石塔が立っています

 鎌倉時代末期の元徳2年(1330)の造立です
 高さは406cm
 相輪を欠き、地上に置かれています

 興福寺の僧・修円(承和2年(835年)没)の墓とも伝えられます

 修円は室生寺を創建した僧・賢憬の後を継いだ僧です          
 修円は空海や最澄と並ぶほど顕教、密教を兼ね備えており、室生寺の基礎はほぼ修円の時代に固められたと伝えられています

 山門から本堂へ向かう石段脇に「山梨の木」が有ります

 樹齢450年、長十郎梨の原木だそうです
 千年桜の咲く頃、境内手前で白い花を咲かせます

仏隆寺の十三重石塔 仏隆寺の山梨

★所在地;宇陀市榛原赤埴1684
★交通;近鉄「榛原」駅より バスで「高井」下車 徒歩30分
★駐車場;有ります(無料)
★入山料;100円
★問合せ;0745-82-2714(仏隆寺)


津越家住宅

2012年01月19日 | 文化財
 江戸時代中頃に建てられたそうです 撮影日;2012.01.18
 
 津越家はこの辺りの山持ち庄屋さんの家柄で、大和屋根の立派な家屋を構えています 「大津屋」として宿屋を営んでいました
 陣笠などが保管され、馬繋ぎ輪が2ヶ所あるので、武士が多く利用したと思われます
 天誅組も宿泊しているそうです

 高井の千本杉から坂道を上がり詰めたところが津越辻です
 300年を経ている大和棟の建物が津越家です
 昔は庭先を伊勢本街道が通っていたそうです

 『明治・大正・昭和初期の古民家を大切にする会』が、平成18年4月1日に古民家として「主屋・土蔵」を6番目に登録しています

 「大津屋」の隣に明治初期まで「長谷屋」が営業していたそうです

★所在地;宇陀市榛原高井672
★交通;近鉄榛原駅より バスで「高井」下車 徒歩20分
★駐車場;スペース有り
★入場料;外観のみ見学可
★問合せ;0745-82-6034(明治・大正・昭和初期の古民家を大切にする会)
  見学は問い合わせてください


赤埴の千体仏

2012年01月16日 | 文化財
 子授けに霊験あらたかな地蔵菩薩の千体佛です 撮影日;2012.01.08 

 十六世紀の前半、赤埴家の養子となった越中守安正が生地の美濃の国から背負ってきた仏像が始まりと云われます

 子供が欲しい人は願をかけて一体を戴いて帰り、願いがかなうと出産後に新たに一体を刻んで二体を納めるそうです
 民俗学的にも貴重な文化財です

赤埴の千対仏仏堂 赤埴の千対仏説明版

★所在地;宇陀市榛原下志明
★交通;近鉄榛原駅より バスで「内牧」下車 徒歩25分
★駐車場;スペース有り
★入場料;見学・参拝自由
★問合せ;

 「高井の千本杉」から600mほどの所、佛隆寺への分岐点に有ります


細川家住宅・森家住宅

2011年12月16日 | 文化財
 奈良の町屋の典型として重要な建築です 撮影日;2011.11.27

 細川商店は「和ロウソク」の製造販売を行っていました
 文化・文政年間(1804~30)の祈祷札が残されている19世紀初頭の町家です
 昭和45年3月に県の有形文化財に指定されています

 表構えは、出入口を揚戸(あげど)、その両脇の上半を蔀戸(しとみど)、下半を揚げみせ(ぱったり床机)とし、北側の落棟部には太格子をいれています
 全般に保存は良好で、建具まで残るのは珍しく、座敷廻りの意匠も優れています

 北隣に森家住宅が有ります
森家住宅 
 もとは細川家の隠居所であったと伝えられています
 平成16年3月に奈良市指定文化財に選定されました

 形式・手法から、明治20年代(1887~96)頃の建築とみられます
 平成23年の半解体修理工事で、丸太格子や通り土間が復原されるなど、ほぼ建築当初の姿がよみがえりました
 正面の丸太格子は奈良の町家にみられる特色のひとつで、「奈良格子」とも呼ばれます 

細川家住宅説明板 森家住宅説明板
★所在地;奈良市南城戸町62
★交通;近鉄奈良駅下車 徒歩10分
★駐車場;なし
★入場料;タダです
★公開;3月21日~6月26日の土日祝、9月23日~11月27日の土日祝
★開館時間;11:00~16:00
★問合せ;0742-34-5369(奈良市 教育総務部 文化財課)


粉川家住宅(高畑)

2011年12月13日 | 文化財
 上海で油脂業を営んだ粉川廣吉が建設した住宅です 撮影日;2011.11.27

 内外とも上質な近代和風住宅の好例です
 2008年に国の登録有形文化財(建造物)に指定されています

 主屋は大正12年(1923)建築
 北に座敷棟、西に玄関棟、南に台所棟をコ字形に配されています
 座敷棟は入母屋造桟瓦葺のつし2階建で、軒先に銅板を葺いた下屋庇をまわし、西北の眺望を配慮し雁行形としています 
粉川家住宅主屋 
 離れは、敷地南辺に位置する表門の東方に東西棟で建つ門長屋です
 桁行6間半梁間2間、寄棟造桟瓦葺の平屋建で、当初は西側3間半を使用人の住居、東側3間を納屋としていました
 真壁造で、腰は下見板張、上部は白漆喰塗とし、通りから望見できる西面には格子の出窓が設けられています

 土蔵は、主屋台所棟の南方、離れの北方に南北棟で建っています
 桁行6.0メートル梁間4.0メートル、切妻造本瓦葺の2階建で、西面から南面に下屋庇をまわし、南面は便所、西面は蔵前としています
 西面中央に戸口、1階北面と2階南・北面に窓を開け、凝った意匠の窓庇が付けられています

 表門は、切妻造本瓦葺、総欅造の薬医門です
 築地塀は、敷地南東隅から敷地東辺に沿って北へ長約30m築かれています

 石垣は、敷地の南辺に築造され、表門の前庭東西にまわり込んでいます
 敷地の造成と一体的に築造されています 
 東方が折曲り長20m、西方が長32m
 花崗岩の切石を前面道路の傾斜に合わせて高さ2~3m積み、上面に板状笠石を載せてあります 

★所在地;奈良市高畑町1211
★交通;近鉄奈良駅より バスで高畑下車 徒歩3分
★駐車場;向かい側に高畑駐車場が有ります(有料)
★問合せ;0742-34-5369(奈良市 教育総務部 文化財課)

 近くに志賀直哉旧居が有ります



葉本家住宅(大和郡山)

2011年12月12日 | 文化財
 明治期には両替商などを営んだ商家です 撮影日;2011.11.22

 大和郡山城下から奈良に至る街道沿いに東面して建ち、旧街道の歴史的景観を構成しています
 2002年に国の登録有形文化財(建造物)に指定されています

 明治初期の建築と推定され、虫籠窓(むしこまど)にある分銅の印から分かるように、当時は両替屋、その後肥料屋を営んできました

葉本家住宅主屋 主屋は南側に通り土間をとり、北側に六間の居室をとっています
 正面側の二間は小さくして坪庭を設けています
 屋根は桟瓦葺で、むくりをつけています

 奈良の指物師として有名な川崎幽玄の父・川崎長七が建築に携わり、建具・欄間・茶室を創作しました
 業平格子・坪庭の垂木・入隅にまわる雨戸などにその特徴がみられます

 この観音寺の街道沿いの町屋は当家以外に数件しか残っておらず、一部に改変があるものの保存状態もよく、当時の町屋建築を知るうえで貴重な遺構です 

★所在地;大和郡山市西観音寺町6
★交通;JR郡山駅下車 徒歩8分
★駐車場;なし
★問合せ;0743-53-1151(大和郡山市)


笹岡家住宅(大宇陀)

2011年12月08日 | 文化財
 茅葺きの典型的な大和風民家です 撮影日;2011.11.15

 古くからこの地の大庄屋を勤めてきました
 昭和43年に国の重要文化財に指定されています

 主屋は桁行16.6m・梁間12.4mの入母屋造り
 寛永年間(1624~44)の造営です
 内部の構造は豪壮です
 一部撤去されていますが、古い農家を知る貴重な建築です

 表門は文化4年(1807)の建築です

笹岡家住宅遠景

★所在地;宇陀市大宇陀藤井477
★交通;近鉄榛原駅より バスで「宇陀藤井」下車 徒歩5分
★駐車場;なし
★問合せ;0745-83-0252(見学は事前に申し込みが必要です)



生駒市中央公民館別館

2011年11月17日 | 文化財
 昭和初期の木造和風建築です 撮影日;2011.11.07

 昭和8年(1933)、中川吉治郎氏の設計
 生駒市の登録有形文化財(建造物)です 

 昭和8年から33年まで生駒町役場として利用されていました
 正面中央及び左右に入母屋破風を見せる堂々とした構えです
 背面に土蔵等が付属し、中庭を囲んで正面玄関と北の議会棟、南の町政執務棟から構成されます
 戦前・戦後の生駒町政の舞台となった和風官庁建築です

 現在は、生駒市の中央公民館別館として利用されています

★所在地;生駒市山崎町11-7
★交通;近鉄生駒駅下車 徒歩10分
★駐車場;7台
★利用料;生駒市のホームページ「中央公民館 別館」  参照
★休館日;月曜日・火曜日・祝日・12月27日から翌年の1月5日
★開館時間;9:00~
★問合せ;0743-73-4641