電影宣伝自由人

香港映画を中心にしたアジア映画のよもやま話などを紹介

勢いある台湾映画

2011-10-27 22:46:50 | Weblog
日本ではなかなか公開されない台湾映画ですが、今年の台湾映画は地元で1億元以上の大ヒットをしている作品が続々と登場し、黄金期を迎えようとしています。
昨年、『モンガに散る』で、プロデューサーと監督が来日した時にインタビューで言っていましたが、(2010年の段階で)来年は台湾映画は地元でヒットする映画がどんどん出てくると話していましたが、まさにその通りで、今年の夏に大ヒットし、東京国際映画祭でも上映された『あの頃、君を追いかけた(那些年, 我們一起追的女孩』も香港で4日間で1000万HKドルを稼ぐ、これまた『インファナル・アフェア2』の作った記録を抜くほどの大ヒットとなっています。
台湾映画界はこれまで17年間の間ヒットした作品が出せず、台湾映画のイメージはホウ・シャオシュンを代表するようにアート系といった感じでしかありませんでした。そうなると映画に出資する人たちはなかなか現れず、負のスパイラルに落ち込んでしまったわけです。
それが『海角七号』の大ヒットあたりから風向きが変わり、『モンガに散る』で本格的な台湾映画の国内ヒットで風向きが変わり、今や台湾映画に出資したいという大陸側の話とかもあり、『モンガ~』のニウ監督の新作は大陸の映画投資の大手が出資することとなりました。賛否となりながらも前後篇となった『セデック・バレ』の大ヒットもそうですし、これはもう本格的な台湾映画黄金期が来たと言っても過言ではないでしょう。
ただ心配なことは、それに乗じていろんなところから出資者が増えるのをいいことに、悪いことを考えるプロデューサーとかが出てくることです。どんな世界でも儲かるというお金の言葉が出てくると胡散臭さがあるのですが、そうゆう風になってほしくないと思うのです。
なぜかというと、台湾映画は1970年代にも映画が儲かっている時に、いろんな出資者を騙して金巻き上げて自滅したということがあったからです。
大陸も映画制作で香港側が入って大作続きとなっていますが、そうゆう危ういところが見え隠れしているようなので、この数年の中華圏の映画状況がどうなるのか、気になるところです。

さて、気になると言えば、台湾で11月4日に公開される『星空』。原作が『地下鐡』のジミー、製作が『狙った恋の落とし方』など中国・台湾で活躍するチェン・クォフー、監督が『九月の風』のトム・リン、主題歌が五月天、そして主演が『ミラクル7号』の、ちょっと大きくなって素敵な女の子になったシュー・チャオ、台湾の代表的女優のレネ・リュウ、そして最近の活躍めざましいグイ・ルンメイと、これが期待しないわけにはいかない布陣です。予告やポスターのアートワークもおしゃれだし、個人的には今いちばん見たい映画です。そしてこの映画を作った会社が『さらばわが愛 覇王別姫』のトムソン・フイルム(湯臣)。この会社の社長は有名女優だったシュー・フォンで、トムソングループの代表だったご主人が6年前に亡くなって以来、映画を作っていませんでしたが、久々に映画製作に戻った第一弾映画がこれというのも個人的にはうれしい限りです。
また台湾のニュースで調べてみると、ジョン・ウーのライオン・ロックや大陸の大手投資の華誼兄弟と提携して作っていくようですね。

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