電影宣伝自由人

香港映画を中心にしたアジア映画のよもやま話などを紹介

新聞

2008-03-05 20:32:05 | Weblog
この前、肥肥の載った新聞をいただいて、それを見ながら昔の香港の新聞の芸能面を思い出しました。香港人は新聞好きなので、10紙ほどの新聞が路上で売られていましたが、私が香港に行ってその新聞を買う楽しみだったのが、映画の広告がいっぱい載っていることでした。東方日報などは、昨日の興行収入なんていうのも載っていたので、どの作品にお客さんが入っているかよくわかりました。
確か89年だったと思いますが、香港に行ったのが9月下旬でしたが、ちょうどチョウ・ユンファ作品がどれもこれもヒットしていて、新聞にユンファ新作『再見英雄』の広告が出ていて、銃を構えたユンファの姿に「これは見に行かねば。」と、5時の回の上映に行きました。映画が始まるやユンファが登場。でも彼は髪を七三わけしたした詰襟のような衣装で、時代背景はどうも戦時中のような昔の時代なのです。なんか広告のイメージと違うなあと10分ぐらいたったと思ったら、そのユンファ演じるキャラクターの兄というのが出てきてから、ずっとその兄の話になっていて、そのままあれよあれよという間に1時間が経ち、そしてその兄がトラブルに巻き込まれて絶対絶命!となった時、ユンファ登場!でも、なぜか忍者を引き連れて戦っております。「なんじゃ、こりゃあ。」そう思っているうちに、あの新聞広告のようなかっこいい感じのシーンはひとつもなく、映画も終わってしまいました。見に来ていた香港人もあぜんとして、皆ぞろぞろと帰っていきましたが、見事に広告にだまされていたのでした。そんな映画でもそこそこヒットしていたのですから、ユンファ・ブーム恐るべし、ですが、後から聞いたところでは、ユンファが出演していた昔の作品を別の作品と足して再編集した作品だったことがわかりました。
考えてみれば、当時の香港映画なんて声は吹き替えなわけだから、編集し直してセリフ付け替えてもわからないでしょうね。恐るべし、香港商法、でした。
とそんなこんなで、昔の新聞の広告は楽しかったですが、今の香港の新聞って、そんな広告もなくなってしまっているので、寂しいものです。