島国ニッポンの山国から

地球温暖化、クルマ社会の諸問題、時評、街作り提言などを島国の中の四方を山で囲まれた山形盆地からのつぶやき

まだ続く沿道住民の「蛇の生殺し」状態

2009-05-19 22:01:14 | クルマ社会の問題
 この二車線の一方通行の道路についてかなり以前から拡幅が計画されている。
 両側にゆったりした幅の歩道がついた片側二車線双方通行の道路になり、これが開通すれば中心市街地では駅前大通りと並び最も広い幅員の道路となる。つまり新しい道路は現在の約3倍の幅員になるとのことである。
 だが、地元の行政は郊外の道路新設と拡幅に力を入れ過ぎてきたきらいがあり、用地買収だけで巨額の公費が費やされ、しかも地権者の権利が複雑に入り組みがちな中心市街地の道路建設は後回しにされてきたと言える。
 この道路の拡幅計画は当然かなり以前から沿道住民の知るところであったが、拡幅計画の実現化は遅々として進まず、老朽化した家屋や店舗等の所有者は改築や移転もやるにやれないでいた。もし、改築したばかりで拡幅計画が急遽実施されると再び移転による家屋や店舗の移転新築が余儀なくされる。
 しかし、実施計画はなかなか具体化せず、沿道住民にとっては長い年月動くに動けない状態が続いた。しかも近年の行政の財政難と過度の道路建設優先施策に対する世論の批判により、ますます実施の具体化が遅れがちになっている。
 それでも行政はこの計画を「中止」するとは一言も言わない。
 だから、沿道住民にとってはまさしく「蛇の生殺し」状態である。
 それでしびれを切らした住民は拡幅後の沿道の「街づくりプラン」を練り上げて行政に対し早期の拡幅計画の実施と具体的予算化を要望した。
 住民自らが動かなければ縮小気味の公共事業の予算化は困難であることを住民も分かるようになったからである。
 先日、住民のその「街づりプラン」の報告会が公民館で開催されたので、近隣住民の一人として参加して報告を拝聴した。
 でも、その報告を聞いて、「クルマ社会」という現実が新しい街をもいかに無機的で殺伐としたものに変貌させていくかについての見通しがこの「街づくりプラン」ではまったく欠如していることに気付き、私は暗澹たる思いをせざるをえなかった。   ⇒ 次回に続く