島国ニッポンの山国から

地球温暖化、クルマ社会の諸問題、時評、街作り提言などを島国の中の四方を山で囲まれた山形盆地からのつぶやき

お子さんを持つ若い両親へ

2011-09-13 22:28:09 | 地球温暖化
 山形県内にはここ一か月ほどの間にかなりの勢いで福島県から放射能汚染からの避難で移り住む若い親子連れが増えている
 その多くは世帯主たる男性を福島県内に残しての山形への“自主”避難である。
 確かに乳幼児から小中学生に至るまでの子どもたちは大人と比べて放射性物質に弱い。
 だから自分の子どもに少しでも放射能被害が及ばないようにと避難しようとする気持ちは充分にわかる。
 でも、子どもたちでさえ実際に健康被害が現れるようになるのは代表的な放射性物質であるセシウムの場合、早くて数年、10年、或いは20年以上も後になる場合が普通なのだという。
 しかし、例えば10年後の世界がどうなっているのかを考えれば、既に地球温暖化は現在よりも格段に深刻化しており、熱波や異常気象による自然災害の多発で生命が脅かされる危険度が高まっている可能性が強い。
 これは放射線被曝の多寡に拘わらずに襲われる。

 確かに今回の原発事故による放射性物質拡散の責任は直接的には東京電力と原発の推進してきた国にあるから、自主避難者にも何らかの補償責任もあるべきとする考えもそれほど誤りとも思えない。
 しかし、原発列島化と地球温暖化とは表裏一体の関係にある。
 この2者を結びつけるものはクルマ社会である。
 原発なしにこれほどクルマが量産されることはありえず、まさにクルマは「重工業と精密工業の華」「結晶」に他ならず、膨大な量のクルマの走行により二酸化炭素の排出は激増してきた。
 だから、いわば日本国民すべて(とりわけクルマ依存症者)が原発列島化に責任を有すると言える。 

 そして皮肉なことに福島県から山形県など近隣県への自主避難者の激増は更に二酸化炭素の排出量を増加させる。
 なぜなら、福島で働くご主人は週末ごとに妻子の避難先の山形県にクルマで訪れるだけでなく、山形県内から福島に毎日クルマで通勤する方も少なくないからである。
 だから、きわめて言いずらい表現を敢えて表現することになるが、放射能の被害(風評被害も含む)家族は同時に二酸化炭素排出増加の“加害者”ともなっていることになるのだ。
 だからといって、「フクシマに帰れ」と口が裂けてもは言えない。
 お子さんたちの将来の健康を心配して山形や新潟に避難したものの、10年先の地球全体が温暖化の猛威に曝されて(つまり被曝)いるようなことがあってはならない。
 それには国を挙げて「クルマ依存社会の見直し」つまり「原発依存からの脱却」を図るべきなのである。

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