島国ニッポンの山国から

地球温暖化、クルマ社会の諸問題、時評、街作り提言などを島国の中の四方を山で囲まれた山形盆地からのつぶやき

カラスなぜ鳴くの、カラスは街に・・・

2010-03-13 23:26:24 | クルマ社会の問題
 最近とみに市街地でのカラスの害がひどくなっているようだが、このほどカラス対策についての集まりがあり、行政からの報告とともに専門家(大学教授)による講演を聴く機会を得た。
 普通、市街地でカラスが増えた要因としては市街地でカラスの食料が得やすくなった、とりわけゴミ集積所での生ゴミの出し方がルーズであることが挙げられることが多い。
 しかし、カラスは雑食性の鳥類であるから、必ずしも生ゴミだけを狙う必要はなく、農作物や果樹、野生の小動物が多い農村部や山間部でも生きていくことは現在も充分に可能なはずである。
 古い童謡でも「カラスなぜ鳴くの、カラスは山に可愛い七つの子があるからよ」と唄われているように、本来のカラスは山をねぐらにしていたのであり、昼間は里に出て農作物や小動物を餌として求めていたのであるから、「生ゴミ」だけが市街地でのカラスの増殖の主たる要因とすることはできない。
 今日の講演では、もう一つ市街地でのカラスの増殖の主たる要因が述べられていた。
 それは市街地での夜間の光の氾濫であり、そして夜間照明がまばゆい所には広い平面施設、つまり拡幅された都市計画道路や駐車場が多いことも市街地でカラスを増殖させているのではないかとも述べられていた。
[※以下は以上の講師の話を踏まえてのブログ主の推論]
 カラスは夕暮れ以降は特に大集団の群れを為す傾向が強いが、それは大きな公園や神社など深い樹林のある所で群れを為して「ねぐら」とするためであり、夕暮れ時の終結場所としては夜間照明がまばゆく、しかも見通しの良い平面施設が多い所、つまり広い道路、駐車場、コンビニ、ガソリンスタンドなどがある所は好適地である。
 夜間照明は人間にとってだけでなく、カラスにとっても夕暮れ時の見通しを良くしてくれる。しかもこれらの照明は多くの場合「クルマ社会」ならではの照明である。
 むろん広い道路、駐車場、コンビニ、ガソリンスタンドなどはクルマ社会そのものの施設である。(コンビニ等も広い駐車場を備えている場合が多い)
 それに加えて市街地内の幹線道路沿いの地上に電線が張り巡らされていれば、直接クルマや人間と接触する危険もなく、「仲間たち」を同一の目線で見渡して集団としての意識を自己確認するために電線は「ねぐら」である近くの樹林に帰る前の格好の集結施設となるのではないか(上の写真の左側参照)。