島国ニッポンの山国から

地球温暖化、クルマ社会の諸問題、時評、街作り提言などを島国の中の四方を山で囲まれた山形盆地からのつぶやき

将棋に喩えればコンセントは「歩」か?

2009-01-12 22:13:15 | 地球温暖化
 行政やマスコミによる国民向けの「地球温暖化防止」の呼びかけは洞爺湖サミット以降も結構盛んである。
 むろん、それはそれで良しとしておくべきなのだろう。
 でも、やはり些か物足りない、迫力不足の感は否めない。
 例えば、電気器具の使用を終えたらこまめにプラグをコンセントから抜いておくとか、不要な照明も消灯しておくとか、クルマだったら、アイドリングはしない、エコドライブを心がけるなどのような類である。
 将棋に喩えるならば、始めから「王将」を狙うのを諦めて、「歩」を攻めることだけに熱心であるようなものである。
 だが、たとえエコドライブであってもわずか10分の走行を30分の自転車走行に切り替えただけで、家庭内の「無駄な照明」をかなりの日数続けた分の二酸化炭素排出量を削減できることになるのではないか。
 本気で「地球温暖化防止」を呼びかけるならば、二酸化炭素排出の横綱・王将とも言うべきクルマの使用の大幅抑制を最初に呼びかけるべきであろう。
 えっ、クルマからの排出は全体の約20%程度だから大した割合ではない?
 確かに「走行」にのみ限ればその程度であるが、クルマの走行を支える「クルマ社会全体」、つまりクルマ本体及び部品・関連物品の生産、販売、修理、点検、廃棄、石油産業、道路建設、損害保険業務、警察業務・・・等々による二酸化炭素排出の総量は40%を超えても不思議ではない。
 現在、自動車産業の不振が経済界全体を揺るがしている。
 それだけ「クルマ社会」の裾野は広く、「クルマの走行」は夏の富士山の冠雪の部分、或いは城に喩えれば広大な城郭の中の天守閣部分のようなものであろう。