村びとの話が続く
道路切っだがら、うんといい。ほれがら、電気がきた。テレビ、映るイから、いい、あっちゅうこどは、いがねなあ! 反対だず!・・・(中略)・・・便利の悪えどごに働いて、金に成るごどもあるんだもの、ほれ、うん。交通の便が悪えどごろに、かえって・・・うん、良いどごもあるんだもなあ!
訳文
道路が切れたからとても良くなった。それから、電気が通るようになった。テレビが映って観られるようになったから良くなった、そういうことには必ずしもならないなあ!むしろ反対になっているんですよ!・・・(中略)・・・便利の悪い所で働いて金になることもあるんですよ。それ、そうですよ。交通の便が悪い所に却って・・・そうだ、良いところもあるんだものなあ(山仕事や炭焼きでかなりの暮しができた時代を懐かしんで)!
※ 以上、27年前の長編ドキュメンタリー映画『ニッポン国古屋敷村』(ベルリン映画祭で受賞)の同名のシナリオ読本より (さらに少し強い訛りの表記にした。)
※ 写真でわかるように、既に4年前には土蔵の背後の民家は消え失せている。手前の土蔵はしばらく郷土ゆかりの文人の資料展示館になっていたが、やはり4年前には閉館。それだけ山村は厳しくなっている。