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P53の発現を誘導するRNA

2014年01月29日 | 科学
鳥取大、癌は容易に正常細胞や良性細胞へ変換できることを発見

 鳥取大学の研究グループ(代表:鳥取大学医学部病態解析医学講座薬物治療学分野 三浦典正 准教授)は、自身がクローニングしたRNA遺伝子「ヒトテロメレース逆転写酵素遺伝子(hTERT)」に関連して発現変動する単一のヒトマイクロRNA「miR-520d」を未分化癌に導入すると、正常幹細胞へ形質転換できることを、世界で初めて発見しました。~平成26年1月24日公開「Scientific Reports 誌」オンライン版より。

 2012年2月に、山中教授らが当初iPS作製に使用した293FT細胞、または未分化な肝癌細胞、膵癌細胞、脳腫瘍、悪性黒色腫細胞で、球状の幹細胞または癌幹細胞様の細胞へ容易に変化させ、その細胞はP53という癌抑制遺伝子を高発現していることを見出しています。
 本研究では、まず未分化な肝癌細胞がmiR-520dにより、12時間程度でP53,Nanog,Oct4陽性の細胞へ変化し、miR-520d導入細胞がマウスでその癌とは全く異なる組織(奇形腫や正常肝臓組織)を形成したり、腫瘍を全く形成しなかったりすることがわかりました。高分化型癌でも1ヵ月程度で同様の細胞へ変化します。脱メチル化による脱分化誘導がその原因の1つであることも証明しました。

 この小さなRNA分子(20mer)のメリットは、癌幹細胞への感受性が高いことで、他に治療法のない末期的な担癌状態に奏効する。またP53の発現を誘導することから、再生医療でもiPS細胞の品質管理などに応用できる可能性があります。


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