天地を 照らす日月の 極みなく あるべきものを 何をか思はむ 

わびぬれば 今はたおなじ 難波なる みをつくしても あはむとぞ思う

ハプログループ

2009年12月11日 | 科学
 私たちの体をつくる細胞の核を構成する核DNAおよび細胞小器官ミトコンドリアにあるミトコンドリアDNAには、進化の情報が塩基配列に記録されています。DNAの塩基配列上で起こった突然変異の記録から、現代人類はいくつかのグループに分けることができます。
 ミトコンドリアDNAは母系遺伝し、かつDNAの組み換えも起こらないので、女性のみを辿ることができます。一方、男系は、男性を決定するY染色体のDNAにある非組み換え領域(NRY領域)の配列を基に男性を辿ることができます。

 日本人を構成する主要なDNA塩基多型ハプログループは、中国中部から東北部や韓半島で多く見られるD、東南アジア、中国南部に多いM7、アジアに広く分布し、東南アジアやポリネシア、ミクロネシアに特に多いBです。

 Y染色体のハプログループから推定される日本人の構成は、縄文時代人がもたらしたとみられるハプログループCとD、中国大陸や韓半島に多く、弥生時代から飛鳥時代にかけての渡来人が持ち込んだとみられるO2とO3です。

 Y染色体ハプロタイプCとD、縄文時代人は、約8万5000年前頃にエチオピア付近から出アフリカを遂げ、南海岸ルートでアラビア半島、インドから東南アジアに到達したものと考えられます。現在の東南アジアの人たちや、オーストラリアの先住民などに大きな頻度で見られます。
 一方、Y染色体ハプロタイプO、弥生系渡来人は、出アフリカを遂げ、中近東、西アジアを経て大陸を東進し、東アジアに到達したものと考えられます。現在の中国人や韓国人を含む東アジアの人々に大きな頻度で見られます。

 まとめると、ミトコンドリアM7は縄文時代人、Dは弥生系渡来人。

 Y染色体CとDは縄文時代人、O2とO3は弥生系渡来人。

~12月10日米科学雑誌サイエンスより


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