goo blog サービス終了のお知らせ 

天地を 照らす日月の 極みなく あるべきものを 何をか思はむ 

わびぬれば 今はたおなじ 難波なる みをつくしても あはむとぞ思う

荒城の月

2011年06月27日 | 花鳥風月


春高楼の花の宴 巡る盃かげさして
千代の松が枝わけ出でし 昔の光いまいずこ

秋陣営の霜の色 鳴きゆく雁の数見せて
植うる剣に照りそいし 昔の光いまいずこ

いま荒城の夜半の月 替らぬ光たがためぞ
垣に残るはただ葛 松に歌うはただ嵐

天上影は替らねど 栄枯は移る世の姿
写さんとてか今もなお 嗚呼荒城の夜半の月



土井晩翠作詞・滝廉太郎作曲

2011年04月17日 | 花鳥風月
嬉やと 再び覚めて 一眠り
浮世の夢は 暁の空

先にゆき 後に残るも 同じ事
つれて行ぬを 別とぞ思ふ
徳川家康

君がため 惜しからざりし 命さへ
長くもがなと 思ひけるかな
藤原義孝

わすらるる 身をば思わず 誓ひてし
人のいのちの 惜しくもあるかな
右近

治まれる 大和の國に 咲匂う
幾萬世の 花の春風
徳川家康

月の舟浮け 桂楫

2011年02月05日 | 花鳥風月
天の海に 月の舟浮け 桂楫

懸けて漕ぐ見ゆ 月人壮士

春分の前40日ぐらいの三日月が、一年でいちばん水平に近い三日月です。この頃は、太陽の通り道と月の通り道がほぼ重なり、先に沈んだ太陽が月を真下から照らすからです。そして、沈み際の三日月は、桂色。

天の海に 雲の波立ち 月の船 星の林に 漕ぎ隠る見ゆ

熱田津に 船乗りせむと 月待てば 潮もかなひぬ 今は漕ぎいでな


幻の月

2003年02月28日 | 花鳥風月


あかいくだものをがりりと噛みました
濡れたくちびるがぬらぬらと光ります
柔らかい布でからだを拭きました
こぼれる雫は誰の涙でしょうか
幻の月の影をぼんやりと眺めてます
あらがえぬこの想いに心はくすぶります

雨が降る前の匂いを嗅ぎました
気付かれぬ花がひとりで咲いています
のどにながれる水の冷たさ
なだらかな坂の上をカラカラと歩いてます
かわかない髪のままで何かを冷ますように
幻の月の影がどこまでもついてきます
鎮まらぬこの思いに心もあかくなるのです


オカモトサダヨシ(2002)