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とんねるず主義+

クラシック喜劇研究家/バディ映画愛好家/ライターの いいをじゅんこのブログ 

ねるとん紅鯨団とはなんだったのか(1)

2009年06月21日 17時36分47秒 | ワンフー日記
ちょっと前に、「もういちど見たいバラエティ番組は?」というアンケートを見かけました。

これの各世代別の結果で、30・40才代のトップ5内に「ねるとん紅鯨団」がランクインしていました。

われわれからすると、まさに「おめーらの気持ちはよーくわかった!!」状態。
ほんと、時々むしょうに見たくなりますよね。

たまに食わず嫌いなどでタカさんが「まさに大どんでんがえし!木梨殺し!」なんて叫んでくれちゃったりすると、それだけでテンションあがってしまいます。

先述のアンケート結果を見たりいろいろしてて、ねるとんについて、さらに深夜枠というものについて少々思う所があり、ミニ特集としてつらつら駄文をつらねてみることにいたしました。


今回のテーマは「一社提供」。

フジテレビの木曜9時枠は、20年来とんねるずと決まっています。
しかし以前は、フジの土曜23時枠もまた、とんねるずの時間だったんですよね。

片岡鶴太郎さん司会の「上海紅鯨団が行く」が終了(これもちらっと見ておりました)したあと、タイトルの一部をひきついで「ねるとん紅鯨団」が始まってからおよそ11年間。

土曜深夜枠をとんねるずが保守しつづけたわけです。

この間放送されたのは「ねるとん」、「ハンマープライス」、「JAPAN BOYS」の3番組で、すべてスポーツメーカーのミズノの一社提供でした。

一社提供の番組といえば、たとえば「サザエさん」の東芝とか(いまはちがうけど)、「SMAPxSMAP」のロート製薬とか、「世界ふしぎ発見」の日立を思い出します。

が、おそらく多くのとんねるずファンには「ねるとん-ミズノ」がイの一番に思い浮かぶんではないでしょうか。

しかもとんねるずは、番組がきっかけでミズノのCMにも出演するようになりました。
ランバードのスニーカーとかね。

当然、そのCMはねるとん放送中にもながれていた。

つまり土曜の23時から23時25分くらいまでの間は、番組本編だけじゃなくCMでもとんねるずを見るという、ファンにとってはCMがないも同然な、とんねるず出ずっぱり状態になっていたわけです。

番組の出演タレントとCMが連動するというのは、いまはふつうにあることですが、このねるとん枠のような現象は、まさに一社提供でなければありえなかったことでしょう。

さらに言うと、とんねるずでなければありえなかった、とも言えるでしょうね。

ミツカンのCMもそうでしたが、ミズノの場合もとんねるずが「CMやりたいなあ~」って言ったら実現しちゃったパターン。

オールナイトニッポンで「ねるとんはミズノの一社提供だし、CMもやらせてくれませんかねえ」と発言したのを、ミズノの社長さんが聞いてて、「じゃあ」ってことになったらしい(『おいにい2~ん』より)。

昔はかように、シャレのわかる企業さんが多かったですよね。

ちょっと脱線しました。話をもどして・・・

一社提供のメリットって、なんなんでしょう。

まず資金を出す企業側から見れば、自社の看板としてのイメージ作りが容易にできる。
自社CMのみを反覆して見てもらえるから、それだけ消費者への刷り込みもしやすい。

ねるとん枠の場合、まずとんねるずの体育会系のノリがミズノのイメージにばっちり合っちゃった、というのは大きいでしょうね。
「体育会系」という言葉はCMのキャッチコピーにも使われてました。

とんねるずが多くのプロスポーツ選手と交流があるというのも、ミズノにとっては大きかったかもしれません。

さらにとんねるずを支持していた若い世代へのアピールは、そりゃもう絶大なものがあったでしょう。
とんねるずが身につけているミズノだから、自分がミズノのジャージとか着てたらなんとなーくオシャレな気分になれた。

いっぽう、番組の作り手の立場からかんがえると、やはり「各スポンサー様のご意向」を気にし過ぎることなく、ある程度自由な番組作りができる。

おそらくCMスポットにあてる時間も最小限にできるから、30分足らずの短い番組であっても、やれることはずいぶん広がるでしょう。

ねるとん紅鯨団は、コンセプト自体は、昔からあったお見合い番組の伝統を継いだオーソドックスなものではありました。

が、昔のお見合い番組がほぼスタジオ内で収録されていたのと対照的に、ねるとんはロケに出るという手法が斬新だったと思う(これについては後日あらためてくわしく)。

当時人気絶頂で超多忙だったとんねるずが、毎週毎週わざわざロケに出向いて、一般人たちをイジり、本気で感情移入し、さらにその映像を見ながらスタジオでトークする。

こういう時間も手間もかかった番組を、30分でみっちり見せることができたのは、やっぱり一社提供の良さだったのかもしれません。

とんねるずにしてみても、スポンサー企業のCMに出ているタレントであるという意識もあるわけだから、ただふつうにMCをこなすのとはちがったモチベーションで番組作りに挑めたのではないでしょうか。


残念ながら土曜23時枠からとんねるずは撤退し、ミズノとの蜜月時代も終わったわけですが、いま、ねるとんに近い手法で長寿番組への道を地道にあるいている一社提供番組が、ノリさんがMCをつとめる「未来創造堂」です。
提供はホンダ。

4年目に突入して、視聴率も良く、安定した番組になってきています。

落ちついたノリさんらしい雰囲気、「おかげでした」とはちょっとちがうノリさんのキュートな衣裳が毎週楽しみなのですが、番組内容もほんとうにもりだくさんで、30分番組にしておくのは惜しいくらい。

世界的な自動車メーカーというだけでなく、モノづくりをする会社なんだよウチは、というホンダのイメージと、いろんなジャンルで創造性を発揮しているノリさん、そしてさまざまなモノづくりをしてきた日本人の伝統---

これらが非常にうまくハマった、一社提供のお手本のような番組なんですよね。

これで、とんねるずがホンダのCMに出てくれたら、もう言うことないんだけどね(笑)

不況不況とさけばれ、一社提供の番組も減ってきているこのご時世ですが、未来創造堂のような良質の番組がつくられて、それにとんねるずの一員が関わってくれているのは、とってもうれしいことです。

視聴率の形骸化、スポンサーの弊害も指摘されるいまだからこそ、一社提供って、もっと見直してもいいのかもしれません。


次回のテーマは「視聴者参加」です(の、予定)。







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