悠歩の管理人室

歩くことは、道具を使わずにできるので好きだ。ゆったりと、迷いながら、心ときめかせ、私の前に広がる道を歩いていきたい

楽しい仕事

2013-11-13 16:45:37 | 雑記

仕事で楽しい経験をすることはあまり多くないと思う。好きで選んだ仕事でもそうだ。
私にとって、40年の間に楽しくできたと思える仕事は、「おおぞらウォークラリー」だ。
ウォークラリーの実施にあたり、障害者と家族やボランティアがチームを組む。
設問は、手話、点字などで出される。手話を読めるろう者、点字を読める盲人に助けられて、
チームはコース課題をクリアしていくことになる。
最初のチェックポイントでの設問は、「春を見つけてください」。
福祉事務所の職員に手を引かれた盲人が、道ばたの野草の香りなどに春を発見するが、
ひとしきりその話題に盛り上がった直後、一瞬だが、置いて行かれてしまった。

職員の撮ったビデオには、その様子がしっかり撮られていた。

その後、いくつかの課題を解きながら、和気あいあいとチームは進んでいく。
ゴール直前のチェックポイントでは、手話で課題が出された。
ここではろう者が問題を読み取り、手話サークルの人が他の人に伝える。
皆で答えを考え、チェックカードに答えを書き終わり、さあ、ゴールを目指そうというとき、
先の福祉事務所の職員は、「○○さん行きましょう」と、自然な様子で手引きをする。
こんな風景を見ると嬉しくなる。ウォーキングゲームである「ウォークラリー」を通して、
ノーマライゼイションの実現を、という主催者のテーマがみごとに実現されていた。

これは、ビデオ担当のKさんが、趣旨をよく理解していたからこそ撮れた画像だと思う。

盲人の参加者には、点訳友の会の人が「レーズライター(表面作図器)」でコース図を作る。

 

弾力性に富んだシリコンボードの上に、薄い透明の塩化ビニールシートを置き、
その上からインクのないボールペンで書くと、シートの表面にその筆跡が盛り
上がって出てくる仕組みになっている。
この道具で、コース図を作ると、交差点でどちらに曲がるかがわかる。

盲人の参加者は、「次の十字路は左に曲がるよ」などと声を上げていた。