[ルーツ]
父の父は遺影しか知らない。
死因も知らない。
享年も知らない。
祖母は10年前に他界し、祖父の事を尋ねずとも別に不自由無く過ごせていた現実もある。
だから、知る機会も無かった。
しかし、父がかなり体が利かなくなり
やりたいことを言い始めた。
ルーツを知りたいという。
いや、厳密に言うと
伝え聞いていた父の父の故郷を訪ねたいと。
しかし、父の伝え聞いていた街に伝え聞いた地名は明治を遡っても存在しない。
ミステリー。
父は
地名の無い町に、ルーツを想像し
本家なんかが
どーんとあり、父の父の親のお墓なんかもイメージしているのだろう。
しかし、残念ながら
そんな町は存在しない。
古地図にも
ない。
戸籍を辿ることにした。
父のルーツはわたしのルーツでもあり、
息子らのルーツでもある。
知らなかったが
戸籍をとると、父はサハリン生まれだった。北海道からサハリンに渡った訳では無かった。
サハリンから北海道に来た時に
戸籍を失う場合がかなりあったらしいのだ。
亡き祖母が「戸籍がなくて、大変だった。」と、ぼやいていたことを母が教えてくれた。
えーっ、戸籍無いとか、びっくり。
流れもん感半端ねー。
と、思いつつ
ゴールデンカムイの時代の樺太の感じをイメージしたりして。
ロマン。
ルーツのロマン広がる父には悪いが
恐らく、立派なルーツでは無いだろう。
知りたいなら
調べるけれど、もしかしたら
知らない方がよかったなんて思うかもしれない。
今回、わたしには
会ったことも、存在さえも知らなかった
叔母がいたらしい。
生きているのかも、亡くなっているのかもわからない。
ちょっとだけ血が繋がっている人がいるんだなあと、驚いた。でも、それだけ。
父の育ち故郷にどうやら、父の父の除籍謄本があると判明した。できれば現地で確認したいところではあるが、
その、日本一寒い町まではかなり遠く、土日にいってきまーすという訳にはいかない。
除籍謄本を郵送してもらうことにした。
田舎の役場だもの。すぐに対応してくれることだろう。
えてして、ルーツはどうなっているのやら。
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