The Phantom of the Opera / Gaston Leroux

ガストン・ルルー原作「オペラ座の怪人」

寵姫とエリック

2007年03月06日 | ルルー原作「オペラ座の怪人」
管理人は彼の拷問場面が大好きです。
あと火を吐く燃え上がる顔とか安全ピンとか腹話術とか、蠍と飛蝗とか、コンゴの森、切り穴とか・・・とってもツボです!!(恍惚)
「やっぱり『オペラ座』は拷問シーンよ!」などと言うと寵姫みたいですが・・・。
高笑いの怪人さんも萌えますね!この高笑いがあるのとないのでは大違いですね。


ですからその「悪戯っ子」ぶり全開な原作は読んでいてとっても楽しいです。
海外の漫画だとそういう部分も絵にしてくれているのがいいです。


寵姫とのかかわりも解釈は人それぞれですが、クリスティーヌとの事で改心するまでは人間の心を持っていなかったとすれば案外仲良くやっていたのかも~、などと妄想。(超少数派)

「・・・エリックは血も涙もない正真正銘の化け物だが・・・残念ながら、ペルシャで彼が本領を発揮するところを目撃してしまったので、そう考えざるを得ない・・・、ある面では、生意気でうぬぼれの強い子供のようなところもあり、周囲をあっと言わせておいて、自分がいかに創意工夫に富んだ頭脳の持ち主か照明(トリックの種明かし?)をするのが大好きだったのだ」
(角川p352)






「LES ENFANTS TERRIBLES」


ペルシャ時代の寵姫とエリック
・・・罪を罪とも思わない恐るべき子供たち・・。




寵姫の年齢は角川を読んでいたので若い愛人というイメージが強いです。

というか殺人に溺れていたりと・・・・精神的にアンバランスでちょっとだけ
「王妃マルゴ」のイザベル・アジャーニを連想。

衣装はエリック・・・シャルボー、ピルハンドボラン、コレジェー、そしてアストラハン帽。
寵姫の衣装は古代ペルシャの女神のレリーフから・・・。(年代無視)



リヴォリ街

2007年03月06日 | ルルー原作「オペラ座の怪人」

クリスティーヌの事をダロガに語る怪人さん(ALW版?おい)

なんだかんだと言っても最後にはここなのね・・・。拷問部屋で灼熱地獄責め、水責めしたくせに。



でも怪人さんがダロガのアパルトマンを訪ねた際、

「・・・その客は名前も名乗らず、顔も見せず、ただダロガに会うまで戸口から一歩も動かないと言っているという事だった」

「<ペルシャ人>は、その奇妙な来訪者が誰だか直ちに察し、すぐに通すようにと命じた」

って、ダロガさん、優しい!!!




時にはフォール判事に訴え厳父のようだったかと思うと、優しく受け入れてあげるんですものね。

<エポック紙>掲載料

2007年03月06日 | ルルー原作「オペラ座の怪人」

 

エリックの死を知らせるための<エポック紙>掲載料は実はダロガが年金収入の中から支払っています。

ダロガ・・・いい人。

最後の感動的なリヴォリ街のダロガの一室での一こま・・・

「クリスティーヌは実に立派な娘で、私が君みたいなペルシャ人なんか三文の値打ちもないと思っていた時に君を救ったんだ。 」

「君はくどいようだが、もう存在しないも同然の人間だったから、ラウルと死ぬ事になっていたのさ!」

 

けっこう一貫してダロガの事はひどく言っている怪人さんです。おい。

 

でもダロガは怪人さんの改心を聞いて泣いてくれ、むこうを向いていてくれと言われて泣いているエリックの顔は見ないでくれる優しさです。しかも怪人さんは・・・

 

「・・・クリスティーヌが、私にキスしたんだ。私の額の、ここのところ・・・(見てはいけないダロガ!)・・・・額のここにね…私の額にだよ!・・・(見るなダロガ!)」

という泣いていいのか、こっそり笑っていいのか混乱させる名台詞をかましてきます。
こういう無理難題を散々悪く言っておきながらダロガに言う怪人さんも可愛らしくて非常に好きです。

そうこうして新聞掲載の件の約束をして怪人さんは去っていきます。

 

そしてその事を頼まれてくれたダロガにはもちろんお礼はします。

それは・・・

事件の最中クリスティーヌがラウルに書いた手紙(怪人さん読んだのだろうか?)

怪人さんの手元にあったクリスティーヌの持ち物、二枚のハンカチと手袋と、靴のリボン

です。

これがダロガにとって価値があるのかどうかは内緒です。