<ペルシャ人>の話では、
エリックはルアン近郊の小さな町の出身だった。
彼は左官工事請負業者の息子として生まれたが、あまりの醜さに両親にまで忌み嫌われたので、早くから家を出た。(p448)
自分には名前も祖国もない
たまたまエリックという名前を名乗っただけなのだ。
保護者がつけた名前を捨て、自ら名前をつけるという行為と強い意志が悲しく、同時に彼らしいと思いました。
心をさいなむ両親から離れられて一種の開放感に浸って子供らしく塀の上で遊んでいる・・・というイメージで描きました。これを感傷的にはしたくなかったので、表情は明るめにしたつもりです。
ちなみに「ERIK」という名前には支配者という意味があるとか・・。
個人的に彼は自分自身の支配者だっただろうと考えています。少なくとも彼はそう思っている。
オペラ座地下での人間界からの孤立と言っても、それはペルシャ時代のような罪を犯したくもうない、静かに生きたい、他人に煩わされたくないためでしょう。
そう願う事がすなわち地下に生きる事に直結するのはまさしくちょっと悲しいです。
仮面をはずして生きる、という選択肢もありますが、近しい人の心の支えもなく他者の視線に身を晒すのは精神的に耐えがたかっのだと思います。
クリスティーヌも村祭りのヴァイオリン弾きの娘として他人に身を晒す経験もありますし、訳によっては
母親が身体が不自由だったとあるので、エリックの心の痛みを自分のものとして感じる事が出来たのだと思います。
名前についてはもっと鋭く、考えさせられる指摘をされているサイト様もありますので、ぜひぜひ、私のHPのリンクからお探しください。
デッサンが狂っているのは分かってます。でもマウスで苦労して描いたので過去絵倉庫入り・・・。