えりはな の 「いま」を伝えたくて

「いま」目の前にある感動や景色をたくさん伝えたくて、ここを作りました。

「なか卯」で、ちょっとあったまった話

2011-04-07 23:09:56 | 徒然なるままに
清水寺をあとにして
車を停めていた八坂神社近くに戻ると、ほどよくお昼前。

行きたくない寺に、連れまわされた感いっぱいの娘たちは
かなり疲れもあって、限界モード。

というわけで、円山公園前にあった、てっとり早そうな「なか卯」に初来店。

しかし、テーブル二席はいっぱい。
カウンターは、ぽつりぽつりと空席が離れてあり、
三つあるにはあるけれど、、、、、という状態。
ほとんどが、中高年のおじちゃまたちで、ほとんどがひとりでの来店。
なんとなく浮いた感じにはなったけど
テーブル席には若い女の子もいたし、食券も買ってしまったし、
一緒に座りたいというので、テーブルがあくのを待つことに。

しかし、お客はどんどんやってきて、
食券を買って、カウンターへ座っていく。
このままでは、なんとく
ささっとテーブルもとられちゃうかな~と思った矢先、
カウンターの一番奥に、ひときわかなり目立った若い男子三人組のひとりと
目があった。

頭髪は逆立ち、派手なメッシュが個性的にたくさんはいっている。
服装もそれ系、顔は整っているけれど、やはりそっち系?
あきらかに異色をはなっていて、一席は彼らの荷物がおかれており
その横にすら誰も座ろうとしていない状態。

仮にその荷物がなくても、二席しかないわけで・・・・と思っていたら、
その一人が、
「お前ら、つめろ!!」と大声を仲間にかけ、荷物をとり、
私たちを手招きした。

おそるおそる、どうみても、自分たちを呼んでいるとしか思えず近づいていくと
その彼は、「どうぞ」と自分は席をたち、
食べてる途中の仲間をおいて出て行った。

「すみません」といった後で
「ありがとうございます」というべきだったと思いながら、座り
おかげで並んで食べることができた。

仲間たちは、なんとなく急いで食べて出て行った。

みんな服装などは派手だけど、どことなく清潔感のある感じにみえた。
つっぱっているのかもしれないけれど
なにかポリシーのようなものが感じられるそんな雰囲気のある若者にみえた。
音楽でもやっているのだろうか、わからないけど
早食いまでして、席を譲ってくれたその人に
この場を借りてお礼がいいたいです。

「疲れきった娘たちも、早めに席に着くことができました。
 ほんとうにありがとうございます。」

なかなかいないよ、こんな人。

娘があとで
「最初に出て行った人、ずっと店の前でみんなが来るのを待ってた」といいました。
私の位置からは、それがみえなかったので、
なんだかじーんときました。

はじめて入った「なか卯」で、安いけど美味しい親子丼を食べながら
すっかりあったまってお店をあとにしました。
店を出た時には、すでに彼らの姿はどこにもなかったけど
あたたかいものは、しばらくずーっと残りました。

気持ちを行動に形にすることは
思う以上に力のいることだと思います。
気持ちですら、持てない人もまだまだ多い中、なんだかとてもうれしくなりました。


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