『1Q84(BOOK 1・BOOK 2)』村上春樹
前情報が一切と言っていいほどなかった作品なので、何も知りたくない人は読まない方がいいと思われます。内容に触れてます。他の作品にも触れています。
【内容情報】(「BOOK」データベースより)
BOOK 1:「こうであったかもしれない」過去が、その暗い鏡に浮かび上がらせるのは、「そうではなかったかもしれない」現在の姿だ。書き下ろし長編小説。
BOOK 2:心から一歩も外に出ないものごとは、この世界にはない。心から外に出ないものごとは、そこの別の世界を作り上げていく。書き下ろし長編小説。
6月に買っていた本を今頃読むあたりが私らしいな。
それ以前に買った本でまだ読んでいない本も何冊かあったり・・・。
この本に関して言えば、そう簡単に手に出来なかったという部分もある。
ハードカバーだから持ち運びがしにくい。故に、気になっても読み進められない、故になかなか手が付けられない。というのもあったし、それに、村上春樹の久しぶりの待ちに待った長編小説だったので、勿体無くて手が付けられなかったというのもある。
しかしこの間風邪をひいてしばらく家に居る時間が出来たので、これを機にこの休みで読んでしまおう、と思って読み始めたのだけど、私にはすぐには読み切れなかったなあ。
当たり前の話だけど、ずっと読めば速いはず。2日、いや1日で読んでしまった人も少なくないと思う。物語はさらさらと流れていき読みやすく、そして、惹き付けて離さない力を十分に備えている。
まあ別にわざとゆっくり読んだのではなくて、気付けば3週間経っていた。
前情報を一切入れずに本を読んだのって初めてだと思う。
あーこの本ほど何かについて書くのが難しい本はないな。
何を書いても、いやそうじゃないんだ、そういうことが言いたいんじゃないんだ、とすぐにいいわけをしたくなる。
「どう?面白かった?」と問われたら、「うん、面白かった」と答えると思う。
でも、それは今までと同じように「興味深い」という意味合いが強い。
最近ニュースで見かけたのだけど、BOOK 3が来夏出版を目途に執筆中らしい。
http://dailynews.yahoo.co.jp/fc/entertainment/1q84/?1253139887
私はこのニュースをBOOK 2を読んでいる最中に見たのだけど、かなり驚いた。
え?じゃあこれで終わりじゃないの?続きが気になっちゃうじゃない、ねえ。
まあ確かに「上下」となっていないところが気にはなっていたのだけど・・・。
なので、きちんとした?感想はそれを読んでからになるのかなあ~。
主人公が自分のことを「おれ」と言うのは初めてじゃないかな?あったかな?それが、すごく新鮮だった。だいたいの主人公が自分のことを「僕」と表現していたと思う。どうしてこの人だけそういうふうにしたのか興味がある。
それと、村上春樹の小説で、クスッと笑ったのも初めてじゃないかな。それが何箇所かあった。
あーそうそう。あの人が出てきたときは驚いた。名前やその人の描写に覚えがあって、確かこの人・・・と思ってすぐに調べたら、やっぱり。『ねじまき鳥~』に出ていた人が出てくるなんて。
え?!どうしてこの人がここに?なんで?どうして?ってそればっかり思った。
そしてちょっと調べたら、『ねじまき鳥~』の時代と、この『1Q84』の時代が重なっているらしい。ほ~すごい。
BOOK 1で散りばめられた物事を、BOOK 2の後半部分で一気に回収にかかったようなあの部分は素晴らしかったな。あそこはすごい威力があった。
疑問に思ったのが、ふかえりはマザってことになっているけれども、セイリがないと言っているのだから、青豆の考えに沿ってみると、天吾と一緒にいるふかえりはドウタじゃないの?マザもセイリがないということなの?
もちろん答えは返ってこなかった。
村上春樹の書く性描写が何故あまり好きになれないのか、時には嫌悪感すら抱いてしまうのか、これを読んでわかったような気がした。
セックスと表現されず、性交と表現される点、これなんだろうな。
口語ではもちろんセックスと書かれているところもあるけれど、ほとんどの場面に置いて、そういわれないとしても、そういう雰囲気が漂っている。
なんだか小学校で性教育を受けているような、そういう不安定な気分にさせられる。
さて、毎度恒例?の気になった箇所集。
「私の代わりはなかなかみつからないにしても、かわりの手段を見つけるのはそれほどむずかしくないでしょう」
「これは生き方のそのものの問題です。常に真剣に自分の身を護る姿勢が大事なのです。攻撃を受けることにただ甘んじていては、どこにもいけません。慢性的な無力感は人を蝕み損ないます」
「コンドームのないところに挿入はない。それが私のモットー」
このあゆみがいい味を出している。彼女好きだわ。
生まれ方は選べないが、死に方は選べる。
これ、前に私がどこかで似た様なことを書いたような気がして、ちょっとテンション上がった。
始まりは決められないけれど、終わりは決められる、そんなようなこと。
「(略)実際に死んでみるまでは、死ぬというのがどういうことなのか、正確なところは誰にもわからない」
BOOK 3が楽しみだ。
前情報が一切と言っていいほどなかった作品なので、何も知りたくない人は読まない方がいいと思われます。内容に触れてます。他の作品にも触れています。
【内容情報】(「BOOK」データベースより)
BOOK 1:「こうであったかもしれない」過去が、その暗い鏡に浮かび上がらせるのは、「そうではなかったかもしれない」現在の姿だ。書き下ろし長編小説。
BOOK 2:心から一歩も外に出ないものごとは、この世界にはない。心から外に出ないものごとは、そこの別の世界を作り上げていく。書き下ろし長編小説。
6月に買っていた本を今頃読むあたりが私らしいな。
それ以前に買った本でまだ読んでいない本も何冊かあったり・・・。
この本に関して言えば、そう簡単に手に出来なかったという部分もある。
ハードカバーだから持ち運びがしにくい。故に、気になっても読み進められない、故になかなか手が付けられない。というのもあったし、それに、村上春樹の久しぶりの待ちに待った長編小説だったので、勿体無くて手が付けられなかったというのもある。
しかしこの間風邪をひいてしばらく家に居る時間が出来たので、これを機にこの休みで読んでしまおう、と思って読み始めたのだけど、私にはすぐには読み切れなかったなあ。
当たり前の話だけど、ずっと読めば速いはず。2日、いや1日で読んでしまった人も少なくないと思う。物語はさらさらと流れていき読みやすく、そして、惹き付けて離さない力を十分に備えている。
まあ別にわざとゆっくり読んだのではなくて、気付けば3週間経っていた。
前情報を一切入れずに本を読んだのって初めてだと思う。
あーこの本ほど何かについて書くのが難しい本はないな。
何を書いても、いやそうじゃないんだ、そういうことが言いたいんじゃないんだ、とすぐにいいわけをしたくなる。
「どう?面白かった?」と問われたら、「うん、面白かった」と答えると思う。
でも、それは今までと同じように「興味深い」という意味合いが強い。
最近ニュースで見かけたのだけど、BOOK 3が来夏出版を目途に執筆中らしい。
http://dailynews.yahoo.co.jp/fc/entertainment/1q84/?1253139887
私はこのニュースをBOOK 2を読んでいる最中に見たのだけど、かなり驚いた。
え?じゃあこれで終わりじゃないの?続きが気になっちゃうじゃない、ねえ。
まあ確かに「上下」となっていないところが気にはなっていたのだけど・・・。
なので、きちんとした?感想はそれを読んでからになるのかなあ~。
主人公が自分のことを「おれ」と言うのは初めてじゃないかな?あったかな?それが、すごく新鮮だった。だいたいの主人公が自分のことを「僕」と表現していたと思う。どうしてこの人だけそういうふうにしたのか興味がある。
それと、村上春樹の小説で、クスッと笑ったのも初めてじゃないかな。それが何箇所かあった。
あーそうそう。あの人が出てきたときは驚いた。名前やその人の描写に覚えがあって、確かこの人・・・と思ってすぐに調べたら、やっぱり。『ねじまき鳥~』に出ていた人が出てくるなんて。
え?!どうしてこの人がここに?なんで?どうして?ってそればっかり思った。
そしてちょっと調べたら、『ねじまき鳥~』の時代と、この『1Q84』の時代が重なっているらしい。ほ~すごい。
BOOK 1で散りばめられた物事を、BOOK 2の後半部分で一気に回収にかかったようなあの部分は素晴らしかったな。あそこはすごい威力があった。
疑問に思ったのが、ふかえりはマザってことになっているけれども、セイリがないと言っているのだから、青豆の考えに沿ってみると、天吾と一緒にいるふかえりはドウタじゃないの?マザもセイリがないということなの?
もちろん答えは返ってこなかった。
村上春樹の書く性描写が何故あまり好きになれないのか、時には嫌悪感すら抱いてしまうのか、これを読んでわかったような気がした。
セックスと表現されず、性交と表現される点、これなんだろうな。
口語ではもちろんセックスと書かれているところもあるけれど、ほとんどの場面に置いて、そういわれないとしても、そういう雰囲気が漂っている。
なんだか小学校で性教育を受けているような、そういう不安定な気分にさせられる。
さて、毎度恒例?の気になった箇所集。
「私の代わりはなかなかみつからないにしても、かわりの手段を見つけるのはそれほどむずかしくないでしょう」
「これは生き方のそのものの問題です。常に真剣に自分の身を護る姿勢が大事なのです。攻撃を受けることにただ甘んじていては、どこにもいけません。慢性的な無力感は人を蝕み損ないます」
「コンドームのないところに挿入はない。それが私のモットー」
このあゆみがいい味を出している。彼女好きだわ。
生まれ方は選べないが、死に方は選べる。
これ、前に私がどこかで似た様なことを書いたような気がして、ちょっとテンション上がった。
始まりは決められないけれど、終わりは決められる、そんなようなこと。
「(略)実際に死んでみるまでは、死ぬというのがどういうことなのか、正確なところは誰にもわからない」
BOOK 3が楽しみだ。
確かに今回の主人公である天吾はそれまでと違いますね。
どこかで見たんですけど、映画化するなら天吾のキャストに向いてるのは「演技のできる井上康生」って書いてあってなまらウケました。
村上春樹の書く男ってどこか細身で草食系ってイメージがあるけど・・違うかなぁ。
あと、ねじまき島~はもう少し待っててくださいね(業務連絡ッス)
切れ味があるというか・・・やはり別格ですね。
>演技のできる井上康生
あーわかる。笑
今回の主人公についての描写で、体格がいい、っていうのが何度も書かれていましたよね~。
確かに今までの作品の主人公たちは、ほとんどが細身のイメージなんですが、今回の作品にいたってはその辺の違いも結構あってそれも読んでて面白かったです。
あ、ねじまき鳥~は気にしないでくださいねー。お時間が出来たら♪