漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

古今和歌集 0771

2021-12-09 19:42:16 | 古今和歌集

いまこむと いひてわかれし あしたより おもひくらしの ねをのみぞなく

今来むと 言ひて別れし 朝より 思ひくらしの 音をのみぞなく

 

僧正遍昭

 

 すぐにまた来るとあの人が言って別れた朝から、私はあの人のことを一日中思い続けて、まるで蜩が鳴くように泣いてばかりいます。

 「思ひくらし」の「ひくらし」が「日暮らし」と「蜩」、第五句の「なく」が「鳴く」と「泣く」の掛詞になっています。出だしが共通の 0691 の歌と、内容も似ていますね。0691 の作者素性法師と僧正遍昭は親子ですので、たまたま似ているのではなく、直接関係のある歌なのかもしれません。

 

いまこむと いひしばかりに ながつきの ありあけのつきを まちいでつるかな

今来むと 言ひしばかりに 長月の 有明の月を 待ち出でつるかな

 

素性法師



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