漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

古今和歌集 0790

2021-12-28 19:12:05 | 古今和歌集

ときすぎて かれゆくおのの あさぢには いまはおもひぞ たえずもえける

時すぎて かれゆく小野の 浅茅には 今は思ひぞ たえず燃えける

 

小野小町姉

 

 時期が過ぎて枯れてゆく小野の浅茅に、野焼きの火が燃えているように、愛された時を過ぎてあなたが私から離れてゆく今、私の胸ではずっとあなたへの思いの火が燃えているのです。

 「かれ」は「枯れ」と「離れ」の掛詞。「思ひ」の「ひ」は「火」が掛かっています。どちらもよく見られる修辞法ですね。
 作者の小野小町姉は詳細不詳で、出自や経歴はわかっていません。古今集のこの一首の他、後撰和歌集にも二首が採録されています。



最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。