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漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

古今和歌集 0816

2022-01-23 19:01:08 | 古今和歌集

わたつみの わがみこすなみ たちかへり あまのすみてふ うらみつるかな

わたつみの わが身越す波 立ち返り 海人の住みてふ うらみつるかな

 

よみ人知らず

 

 私の身を超える大波が寄せては返す、漁師が住むという海辺を見るように、繰り返しこぼれる涙に身を濡らしながら、あなたのことを恨んでいるのです。

 あふれる涙を身を越える大波に喩え、第五句で「浦見つる」を「恨みつる」に掛けて歌全体に巧みに二重の意味を詠み込んでいます。わずか三十一文字でどうしてこんなにうまく表現できるのかと、いつも思いますね。