1級合格のためには過去問への取り組みが重要であるということを多くのリピーターの方が指摘されていますし、私もこれに全面的に賛同します。ただそれだけでは合格には届きません。ではどうするかですが、私は過去問に加えて、1級配当の四字熟語をすべて網羅することが、合格への最短距離だと考えています。
このことを具体的に見るため、直近の本試験(25-3)の問題を次の分類A~Eに区分します。
分類A 「平成21年度以降の過去問」 「漢検1級 完全征服」 「漢検1級 分野別精選演習」 にある問題。
分類B Aとまったく同一ではないが、Aを勉強していれば正解できる問題。
分類C A・Bには含まれないが、1級配当の四字熟語の知識で正解できる問題。
分類D A~Cには含まれないが、平成15~20年度の過去問にある問題。
分類E A~Dのいずれにも含まれない問題。
分類A~Cについて、少し補足します。
分類A
過去問を「平成21年度以降」としたのは、現在でもネット書店などで比較的容易に入手できるもの、との主旨です。それ以前の古い過去問は「完全征服」「分野別」で補います。このあと具体的に見る通り、「合格のための過去問」はこれで十分と思います。(蛇足ですが、「分野別」が出たことでおそらく「完全征服」は絶版になるでしょうから、まだお持ちでない方は今のうちに入手しておかれることをお勧めします。)
分類B
例えば 25-3 で 【箴規(しんき)】 の読みが出題されました。「A」にこれと同じ問題はありませんが、「A」にある【箴言(しんげん)】を学習していれば十分に正解できるでしょう。「分類B」はこのような問題のこととします。
分類C
ここでいう「1級配当の四字熟語」には、「●●之●」という形のもの(約100語)を含みます。逆に、「漢検 四字熟語辞典」に載っていても、漢検配当外の漢字を含むものなどは無視して良いと思いますので、トータルでは約1,000語になるかと思います。私がこれを重要と考えるのは、配点の高い設問(五)の直接の対策としてはもちろんのこと、この1,000語の知識で正解できる問題が、(一)読み、(二)書き取り、(四)語選択書き取り、(九)故事・諺、(十)文章題など、そこかしこにしばしば出題されるからです。25-3 でも、(五)以外に(四)3【黜陟】(←【黜陟幽明】)、(四)4【料峭】(←【春寒料峭】)、(十)カ【不羈】(←【狷介不羈】ほか)といった問題が、四字熟語の知識で正解できるでしょう。
さて、前置きが長くなりました。25-3 をA~Eに分類した結果は次の通りです。数字は、それぞれA~Eに分類された問題の配点の合計です。
(一) 17 2 2 0 9 / 30
(二) 18 4 0 0 8 / 30
(三) 10 0 0 0 0 / 10
(四) 4 0 4 0 2 / 10
(五) 8 0 16 0 6 / 30
(六) 8 0 0 0 2 / 10
(七) 4 2 0 2 2 / 10
(八) 12 0 0 0 8 / 20
(九) 14 0 0 0 6 / 20
(十) 13 4 1 1 11 / 30
合計 108 12 23 3 54 / 200
つまり、直近数年の過去問と「完全征服」「分野別」をしっかり勉強すれば、そこから正解できる問題(分類A・B)で108+12=120点、これに1級配当四字熟語の知識(分類C)を加えれば、23点プラスで計143点を取ることができます。これが、私が過去問と四字熟語を重視すべきと考える理由です。また、分類Dからの出題が3点分しかないことは、古い過去問は完全征服と分野別で十分補えることを示していると思います。(もちろん、合格に向けて「3点」は決して小さくないですから、国会図書館を活用するなどして初回からの全過去問を入手するのも、良い方法と思います。)
実際の私の受検結果と照らし合わせてみますと、25-3 の私の得点175点の内訳は、
分類A~C 配点143点中137点 正答率96%
分類D・E 配点 57点中 38点 正答率67%
ですので、分類A~Cの学習が私の合格の基礎になっていることがわかります。リピーターとなった今は、本試験終了後しばらくは分類D・Eの正答率を上げるための語彙の増強にいそしみ、1ヶ月前くらいからA~Cを復習して次の本試験に臨むというサイクルになっていますが、D・Eの学習もA~Cの基礎があってこそと思っています。
だがしかし・・・「143点」はどこまで行っても「143点」で、これを完璧にこなしたとしても合格にはまだ17点足りません。それをどうやって積み上げるかも含めて、引き続き思うところを書いてみます。もうしばらくおつきあいください。
このことを具体的に見るため、直近の本試験(25-3)の問題を次の分類A~Eに区分します。
分類A 「平成21年度以降の過去問」 「漢検1級 完全征服」 「漢検1級 分野別精選演習」 にある問題。
分類B Aとまったく同一ではないが、Aを勉強していれば正解できる問題。
分類C A・Bには含まれないが、1級配当の四字熟語の知識で正解できる問題。
分類D A~Cには含まれないが、平成15~20年度の過去問にある問題。
分類E A~Dのいずれにも含まれない問題。
分類A~Cについて、少し補足します。
分類A
過去問を「平成21年度以降」としたのは、現在でもネット書店などで比較的容易に入手できるもの、との主旨です。それ以前の古い過去問は「完全征服」「分野別」で補います。このあと具体的に見る通り、「合格のための過去問」はこれで十分と思います。(蛇足ですが、「分野別」が出たことでおそらく「完全征服」は絶版になるでしょうから、まだお持ちでない方は今のうちに入手しておかれることをお勧めします。)
分類B
例えば 25-3 で 【箴規(しんき)】 の読みが出題されました。「A」にこれと同じ問題はありませんが、「A」にある【箴言(しんげん)】を学習していれば十分に正解できるでしょう。「分類B」はこのような問題のこととします。
分類C
ここでいう「1級配当の四字熟語」には、「●●之●」という形のもの(約100語)を含みます。逆に、「漢検 四字熟語辞典」に載っていても、漢検配当外の漢字を含むものなどは無視して良いと思いますので、トータルでは約1,000語になるかと思います。私がこれを重要と考えるのは、配点の高い設問(五)の直接の対策としてはもちろんのこと、この1,000語の知識で正解できる問題が、(一)読み、(二)書き取り、(四)語選択書き取り、(九)故事・諺、(十)文章題など、そこかしこにしばしば出題されるからです。25-3 でも、(五)以外に(四)3【黜陟】(←【黜陟幽明】)、(四)4【料峭】(←【春寒料峭】)、(十)カ【不羈】(←【狷介不羈】ほか)といった問題が、四字熟語の知識で正解できるでしょう。
さて、前置きが長くなりました。25-3 をA~Eに分類した結果は次の通りです。数字は、それぞれA~Eに分類された問題の配点の合計です。
(一) 17 2 2 0 9 / 30
(二) 18 4 0 0 8 / 30
(三) 10 0 0 0 0 / 10
(四) 4 0 4 0 2 / 10
(五) 8 0 16 0 6 / 30
(六) 8 0 0 0 2 / 10
(七) 4 2 0 2 2 / 10
(八) 12 0 0 0 8 / 20
(九) 14 0 0 0 6 / 20
(十) 13 4 1 1 11 / 30
合計 108 12 23 3 54 / 200
つまり、直近数年の過去問と「完全征服」「分野別」をしっかり勉強すれば、そこから正解できる問題(分類A・B)で108+12=120点、これに1級配当四字熟語の知識(分類C)を加えれば、23点プラスで計143点を取ることができます。これが、私が過去問と四字熟語を重視すべきと考える理由です。また、分類Dからの出題が3点分しかないことは、古い過去問は完全征服と分野別で十分補えることを示していると思います。(もちろん、合格に向けて「3点」は決して小さくないですから、国会図書館を活用するなどして初回からの全過去問を入手するのも、良い方法と思います。)
実際の私の受検結果と照らし合わせてみますと、25-3 の私の得点175点の内訳は、
分類A~C 配点143点中137点 正答率96%
分類D・E 配点 57点中 38点 正答率67%
ですので、分類A~Cの学習が私の合格の基礎になっていることがわかります。リピーターとなった今は、本試験終了後しばらくは分類D・Eの正答率を上げるための語彙の増強にいそしみ、1ヶ月前くらいからA~Cを復習して次の本試験に臨むというサイクルになっていますが、D・Eの学習もA~Cの基礎があってこそと思っています。
だがしかし・・・「143点」はどこまで行っても「143点」で、これを完璧にこなしたとしても合格にはまだ17点足りません。それをどうやって積み上げるかも含めて、引き続き思うところを書いてみます。もうしばらくおつきあいください。