九龍半島の突端、紅磡(ホンハム)駅から東鉄線に乗る。30分と経たないうちに、車窓は高層ビルが林立する大都会から、のどかな田舎へと変わってくる。
大埔墟(タイポーマーケット)駅で下車。駅前にはバスターミナルとショッピングセンターがあって、新界(ニューテリトリー)地区の典型的な駅前風景が広がっている。しばらく歩くと、ビルの軒下で野菜を並べて朝市のように売っているおばさんたちがいたり、商店街にある乾物屋では干物を日当たりの良い道の真ん中で天日干しにしていたりして、とても香港の町らしくない。
近くの線路際に、旧大埔墟駅の建物を利用した「香港鉄路博物館」がある。中華風の独特な駅舎を中心に機関車や客車を展示していた。駅舎の中が展示室となっていて昔の切符売場が再現されていたり、九広鉄路(現在の東鉄線)の歴史がパネルで紹介されている。鉄道模型もいくつか並んでいたが、TGVと並んで新幹線や成田エクスプレスがあったのがおかしい。
屋外に敷かれた線路には、緑色のディーゼル機関車と青や赤色の客車があって、客車は中に入ることができる。普通車の座席は貧弱。木製のベンチでスターフェリーの座席に似ていた。香港鉄道は昔から人を乗せるという発想ではなくて、荷物のように人を運ぶという発想なのだと再確認した。一方、頭等車(ファーストクラス)は宗主国であるイギリス人用なので豪華だ。対面式のクッションシートでテーブルまでついていた。
脇にちょこんと小さな蒸気機関車もあった。廃線になった軽便鉄道で走っていたもので、廃線後フィリピンで使われていたものが里帰りして、化粧直しを終えて展示されていた。
帰り際、客車の前で写真撮影中の新婚さんを見かけた。香港では、立法会ビル、茶具博物館、旧九龍駅時計塔などレトロ建築物をバックに結婚写真を撮る人が多い。新界地区ではこの博物館もそんなレトロ建築群のひとつとして撮影スポットになっているのだろう。
どの博物館も、混みあうことなくじっくりとのんびりと見学できるのが日本と違うところだ。入場無料なのにねえ。
大埔墟(タイポーマーケット)駅で下車。駅前にはバスターミナルとショッピングセンターがあって、新界(ニューテリトリー)地区の典型的な駅前風景が広がっている。しばらく歩くと、ビルの軒下で野菜を並べて朝市のように売っているおばさんたちがいたり、商店街にある乾物屋では干物を日当たりの良い道の真ん中で天日干しにしていたりして、とても香港の町らしくない。
近くの線路際に、旧大埔墟駅の建物を利用した「香港鉄路博物館」がある。中華風の独特な駅舎を中心に機関車や客車を展示していた。駅舎の中が展示室となっていて昔の切符売場が再現されていたり、九広鉄路(現在の東鉄線)の歴史がパネルで紹介されている。鉄道模型もいくつか並んでいたが、TGVと並んで新幹線や成田エクスプレスがあったのがおかしい。
屋外に敷かれた線路には、緑色のディーゼル機関車と青や赤色の客車があって、客車は中に入ることができる。普通車の座席は貧弱。木製のベンチでスターフェリーの座席に似ていた。香港鉄道は昔から人を乗せるという発想ではなくて、荷物のように人を運ぶという発想なのだと再確認した。一方、頭等車(ファーストクラス)は宗主国であるイギリス人用なので豪華だ。対面式のクッションシートでテーブルまでついていた。
脇にちょこんと小さな蒸気機関車もあった。廃線になった軽便鉄道で走っていたもので、廃線後フィリピンで使われていたものが里帰りして、化粧直しを終えて展示されていた。
帰り際、客車の前で写真撮影中の新婚さんを見かけた。香港では、立法会ビル、茶具博物館、旧九龍駅時計塔などレトロ建築物をバックに結婚写真を撮る人が多い。新界地区ではこの博物館もそんなレトロ建築群のひとつとして撮影スポットになっているのだろう。
どの博物館も、混みあうことなくじっくりとのんびりと見学できるのが日本と違うところだ。入場無料なのにねえ。