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シーカヤック アースクエストのブログです。

11/7冷水負荷試験

2012-11-08 08:54:00 | セーフティー
皆様へ
石巻専修大学で,水中での低体温症の試験を行っています。

内容は冷水(15℃予定)に肩まで浸かり,直腸温が1度低下するまでの生理反応を見る試験です.
試験は準備時間等を含めて120分程度です.

実施場所は石巻専修大学です.
試験可能な時間帯は下記の通りです.
月曜日夕方5時以降
火曜日夕方5時以降
水曜日午後1時以降
木曜日終日
土曜日,日曜日終日

興味のある方は,アースクエストまでご一報下さい!

と,言うわけで行ってきました。

久々の石巻専修大学。
到着してからは,まず,各種センサーの取り付けです。



そして,鏡に映った星の形を鉛筆でなぞって,そのタイムを図ります。
さらに,握力を図って,いざ冷水へ。



コア体温が一度低下するか,30分経過するまで,心電図や直腸温,体表温,筋肉の運動などのデータをとります。15℃の水に入るのは,思い切りが必要です。入った直後は若干呼吸がしづらくなりますが,5分ほどで呼吸も安定して,体も冷水になれていきます。まぁ,慣れても寒いんですけど。水中での姿勢は,脇と股間をぎゅっと閉めて,腕を組んで太い血管をなるべく水にさらさないようにしました。イメージは,漂流時の保温姿勢です。私の場合は,自前の保温層が効果を発揮して,30分経過後の体温低下が0.1℃でした。とにかく寒いんですが,幸い凍えることはなく,無事試験終了となりました。
体脂肪が少ない方だと,15分ほどでコア体温が1℃低下して,震えがすごいそうです。

 せっかく,センサーを付けたので,もっと低い水温に浸かってみることにしました。(私の希望です。)水槽に氷を大量に入れて,水温を10℃以下に下げてもらいました。



 温度が下がったところで,入水です・・・。

 痛い・・・・。足先が,腕が,体の末端がしびれるように痛みます。呼吸もなかなか整わず,水の中で動きがとりにくい状態になりました。

 足をぎゅっと閉じて,脇を締めて,両手を組んで,体温の喪失を防ごうとがんばりますが,足先がしびれてきて,5分ちょっとでギブアップ。

 低水温季のパドリングでは,体の末端をいかに冷えから守るかが,万が一の沈脱時に大事になると思いました。そして,水温が低いときは,唯一,ロールがセルフレスキューの手段として有効だなと,改めて思いました。凍える手先足先で,馬乗りとか,パドルフロートとか,相当難しいと感じました。


↑水温10度は,動く余裕が全くありません・・・。体の末端がしびれるように痛みます。

 この試験は,12月末まで随時行うそうです。自分が低水温の中でどうなるのかを知ることは,万が一へのイメージをより現実的なものにしてくれます。自分が冷水中でどれぐらい生きられるのか?是非体感してみて下さい。
 よりたくさんのデータが集まることで,水中での低体温症の研究が進み,適切なウェアや生き延びる技術の向上に役立ちます。皆様のご協力を是非お願いいたします。

 興味がある方は,アースクエストまでご一報下さい。よろしくお願いいたします。

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2 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (yamanekotei)
2012-11-10 19:29:42
実験に参加してみました。紺野さんのおっしゃるとおりだと思います。私の場合、30分でコア体温が1度さがりました。水から上がった直後は、まともに動くこともかなわない状態でした。冬季いや夏季も通じて装備の重要性や技術の習得ということが大事だということが良くわかりました。
返信する
Unknown (紺野@仙台)
2012-11-11 22:25:29
yamanekoteiさん
冷水での体験、大事ですよね。
体験を通した危機への具体的な想像力が、必要なことを教えてくれます。
返信する

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