社長つれづれ日記

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これから

2006年01月20日 | 仕事
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*この日記は日々の行動を小説風に書き留めたものです。


平成18年1月20日(金曜)晴れ

 (どういう風に言ってあげれば、彼の成長につながるだろうか)

 栄一は、会議室でITコンサル・コーディネート営業部の摂津と向かい合っている。今日は摂津との、個人面談の日である。

 摂津は、栄一の松山青年会議所時代の四歳年下の後輩である。青年会議所時代は同じ委員会で活動したこともあり、まちづくり運動を通して色々議論や活動をした、十五年来の良き友人だ。

 昨年10月、今まで勤めていた会社を辞め、栄一の会社に入社した。摂津は、以前からIT関連の仕事がしたかったこともあり、また、栄一にとってもコンサルティング部門の強化を考えていたこともあり、互いの考えが合ったことで、入社に相成った。

 「少しは仕事に慣れたかい?」

 摂津は少し言葉を選びながら、

 「今は専務から言われたことを一生懸命やっています。少しずつ、顧客との関係や仕事の進め方が見えてきましたが、自分が主体的に仕事ができるようになるまでには、もう少し時間が必要です。」

 色々なやりとりをしながら、面談は進んでゆく。栄一はその途中、何度か日頃気がついた摂津に対する指摘事項を伝えようと、タイミングを見計らった。しかし、結局、言うのをやめた。

 (今は新しい職場に慣れようと一生懸命仕事に取り組んでいる。坂野専務の評価も、そのことで坂野専務自体の仕事がやりやすくなったという。今は細かいことを言わないで、大きな目で彼を見てゆくことが大事だろう。)

 栄一はいくら仲の良い友人ではあっても、経営者と社員という関係や、上司と部下という関係についてけじめをつけなければならないと思っている。互いに甘え合うことのない、建設的で良い関係をこの先も築き上げていくことができれば、後になって振り返った時にうまい酒が飲めるのではないかと思っている。

 (頑張ってほしい)

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 栄一はあわてて会社を後にする。愛媛大学法文学部長室に車で向かう。部屋を開けると湯浅学部長と愛媛県中小企業家同友会の鎌田事務局長がいる。

 「産学連携の事業について相談をしたいんだけど・・・」と湯浅学部長が言う。

 栄一はここぞとばかりに、

 「色々同友会は活動をしていますから、連携できる材料は色々ありますよねえ、鎌田事務局長」と、鎌田に発言を求める。

 鎌田事務局長は少し下唇を前に突き出しながら、そして、しっかりとした口調で、自分の考えている産学連携のプランを語りはじめた。

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 今日の栄一はバタバタしている。四日間会社を空けたせいか、ショップ責任者の重藤からの相談があり、銀行の訪問あり、伝票決済の印鑑あり、面談、打ち合わせなどで、あっという間の一日だった。

 途中、セールスサポート部(総務部)木浦のにこやかな顔を見て、ほっと一息ついた。

 「社長、ここに沢山書類が溜まっていますから、見ておいてくださいね」と木浦の早速の言葉である。

 栄一は「あっ、あぁ」と、我に返って返事をする。

 (あははは、しっかりしている)

 木浦の抜かりのない優しい言葉に、栄一は再び仕事に向かうのであった。

 木浦はにこりと微笑んでいる。

つづく

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