社長つれづれ日記

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相対ということ

2006年12月09日 | 仕事
◆◆卒業式の際に

 かなり前の話になるのですが、私がある小学校のPTA会長をしていたときのことです。卒業式の際、PTA会長が卒業生と父兄の前で祝辞を述べる場面があります。私も例に漏れず、この役を務めることになりました。

 歴代会長の祝辞については学校の方に残してありましたので、私は事前にそれらを読ませていただき、祝辞の準備をしました。大体皆が同じようなことを述べておられました。おそらく歴代会長は以前の祝辞はどうだったのかということで、私のように調べられたのでしょう。結果として、同じような感じのものになったことと思います。

 私の方も「当たり障り無く」と思ったのですが、いや、ここは自分の子供に言って聞かせるがごとく、しっかり何かを伝えなければと、変なやる気も沸いてきました。結局お話しをしたのが「ウサギとカメの寓話」でした。


◆◆ウサギとカメ

 「ウサギとカメ」の話しは良く聞きますよね。山の頂上を目指して競争した両者は、結局ウサギの油断(途中で油断して寝てしまった)によって亀が勝つという、あの話しです。

 私が卒業式で話しをしたのはこの「油断をしてはいけませんよ」という話しではなくて、もうひとつのかくされた話し、すなわち、「ウサギとカメは何を見ていたか」という話しでした。

 亀は常に目標を見失わず(この場合亀の目標は山の頂上です)ずっと競争をし続けました。ウサギがどうであれ、亀は一心不乱に山の頂上を目指していました。ところが、ウサギの方は何を見ていたかというと亀を見ていたのです。亀がどれくらい進んだかを見て、自分の努力を決めたのです。ですから、亀をかなりリードしたところで油断をして寝てしまったのです。

 敗北の本当の原因は「油断ではなく、真の目標を見ていなかった」ということですかね。言い換えれば「ウサギは相対的であった」と言うことです。


◆◆周りに気を取られる

 こんなことをかつての卒業式の折、私は出来るだけわかりやすい言葉に代えてお話しをさせていただきました。けっこう、子供達や父兄、先生などに好評だったことを覚えています。

 人間、物事が思うようにいかなくなったとき、この比較モード、相対モードに巻き込まれるように思います。周りが気になり、周りに影響されて、本来の自分のペースや自分のやり方を見失います。やっていることが体系立てられたものでなくなり、あれやこれやに手を出し、何もが中途半端になってくる。要するに、本来の自分の目標、経営で言えば経営理念やビジョンを見失うわけです。枝葉末節にこだわり、今の現状をじっと我慢することが出来ないのです。

 誰もがこのようなときがあるのですが、本人はなかなか気づかないので、やはり、周りがそういったときには指摘をしてあげることが大切ですね。

 この「ウサギとカメの寓話」は、私にとって大変良い教訓となっています。


◆◆伊予松前支部

 今日は夜、愛媛県中小企業家同友会の伊予松前支部設立準備会が開かれました。第1回の準備会と言うことでしたが、皆色々やることがあるにもかかわらず田中支部長はじめ8人の方が出席しました。私の方は代表理事と言うことで鎌田事務局長と二人で参加をさせていただきました。

 田中支部長の挨拶から始まり、各自の同友会入会動機などの話しをしていただきました。この伊予松前支部は二代目経営者が多いのですが、自分の父親との葛藤の話しや、自分の会社にかける思いなど、皆に真摯に語っていただきました。大変真面目な人達の集まりです。今後の支部の発展が大変期待の持てる感じです。

 鍋をつつきながら、来年3月の支部設立総会に向けて色々作戦を練りましたよ。大変良い雰囲気で準備会が出来ましたよ。これから3月までの間、良い支部が出来るよう、しっかり準備をしていって欲しいと思います。宜しくお願いいたします。