名古屋のUさんからお便りを頂きました。
***
2014のツアーで購入したミリロスのさいごの1本を昨夜開けたら、香りが部屋一面に漂いました。
でも、色は、写真のように、ブランディみたい。
味は、あまりかわってないようでした。
ブランディグラスについだから?
***
カラブリア州、マッセリーア ファルヴォの極甘口、ミリロスのことですね。
2014年に同農園を訪問した際、日本未入荷どころか一切日本で紹介されていないワイナリーで、まだ輸入するか決めていない状況での”えんイタリア蔵巡りツアー”での皆さんとの訪問でした。
その際に、やたら珍しい極甘口のミリロスに皆さんメロメロになり、相当数お土産に御求めでした。
Uさんも1~2本お買い求めだったんでしょうねっ。
今でも鮮明に思い出すことが出来る、とっても素敵な”葡萄畑の中でのランチ”でした。
因みにミリロスの説明、現在 Family Wine未掲載ですが、当時の文章、下記します。
MILIROSU(ミリロス)とは、イタリア半島の甲、カラブリアの方言で、しかも今は生育していない、小ぶりのとても甘く香りの高いオレンジの名前だそうです。
”煮詰めた”ワイン?
製法を簡単にご説明します。
1:ブドウは一般的に3種類使います。
(モスカテッロ ディ サラチェーナ種・グアルナッチャ ビアンカ種・マルヴァージア ビンアカ種)
2011年ヴィンテージは2種類、モスカテッロ ディ サラチェーナ(モスカート)87%,マルヴァージア ビアンカ13%でした。
2:9月初旬、熟したモスカテッロを収穫して陰干します。<水分を飛ばして糖度を高めます。>
これは9月の下旬まで。理由は9月の下旬には後の2種類の葡萄が熟してくるから。
3:9月下旬、グアルナッチャとマルヴァージアを収穫して、潰してジュース状態にしてから寸胴(大きな鍋)に入れて煮込んでいきます。
(この製法、古くは1500年代にローマ法王に献上したという記録が残っているそうで、そのずっとずっと前からこの地方では行われていたとのことです。)
4:煮込むのは100リットルを煮込むとして70リットルになるぐらいまで。時間は3~4時間。
5:1で陰干したモスカデッロを潰してジュース状態(MOSTO)にして、これと4の状態になるまで煮込んだグアルナッチャとマルヴァージアのジュース状態(MOSTO)を冷ましてから加えます。
6:ここから、やっと醗酵になります。
非常にゆっくりな醗酵で、2カ月近く徐々に徐々に醗酵させてゆきます。
7:その後はステンレスタンクで1年寝かせボトリングとなります。
小さい集落で大昔から造られてきた製法。
家庭、家庭によって造り方は微妙に異なります。
法律で決められた製法は存在しません。
各家庭、造り手各々でそれぞれ違ったパッシートが楽しめますが、まさに秘伝の技です。